今回の交霊会では、地上人生で大きな過ちを犯してしまった男性が、死後どのような境涯に導かれ、何を想うのか、またその償いの一つとして何をしたのかお伝えします。前回の記事の続編としてお読みいただけたらと思います。
「どうか許して」死後の謝罪
ジェームズ ヴァン プラグ氏の交霊会に、スーツを着た男性の霊(アール)が現れ、会場にいる一人の高齢の女性(トルーディ)と話したがっていました。彼は生前、投資関連の会社を経営していたとジェームズに伝えました。
ジェームズはトルーディに「アールという男性を知っていますか?」と話しかけましたが、トルーディは「知りません」と答えました。ジェームズはさらに「サバンナ預金のことを話しています」と伝えると、女性の態度が一変しました。
トルーディ:あのろくでなしね!彼は死んだという記事を読んだわ。地獄で腐ってるといいけど!
ジェームズ:アールはこう言っています。どうかこの優しい女性に、私を許してくれるようお願いして下さい。本当に申し訳ないことをしましたと。
トルーディ:自分でやったことを後悔するのは当然よ。詐欺師め!彼は老後のための資金と貯金を全て盗んだのよ。あの人は他の人にも同じことをしたのよ。
*この時、トルーディの隣に座っていた息子のスティーブンが、母の肩に優しく腕をまわしました。
ジェームズ:アールは心から申し訳なく思い、多くの人々の人生を台無しにしたことを非常に悔やんでいます。彼は天国で、自分のせいで被害を受けた人の心の痛みを常に感じているそうです。私は自分のやったことの償いをする必要があると言っています。
◎アールは死後、カルマ(霊的法則)と向きあっています。たとえ天国に彼を愛する両親がいたとしても、彼の代わりに苦しみを感じてあげることはできません。アール自身が人々に与えた極度の苦しみや恐怖を、全て体験する必要があります。
他の誰かが彼に罰を与えているのではありません。これは、アールの行為が生み出した結果です。
カルマは相手が動物でも、動物に与えた苦しみを全て感じます。たとえば、悪徳ブリーダーや動物を虐待した人は、死後、天国にある動物界にまず連れていかれます。そこで動物がいかに愛すべき存在か学ぶことから霊的教育が始まり、心が引き裂かれるような良心の呵責を覚えます。動物は人間とは異なる霊的進化の道を進んでいますが、共に生きる尊い仲間であることを理解しないといけません。
なお、動物自身は自らの行為に個々の責任は問われません。犬なら犬、猫なら猫の類魂として、つまり全体としてカルマ(霊的法則)に向き合っていきます。地上に存在する生命体で、最も高い霊的進化を遂げている人間だけが、個人でカルマに向き合います。
天国、そこは類は友を呼ぶ世界
次にアールは、天国でどんな境涯にいるのか、思念により映像でジェームズに伝えました。
ジェームズ:彼は天国の薄暗い境涯にいます。その場所は、自分の強欲なエネルギーから生まれた重苦しさで満たされています。周囲には生前、彼と同じような態度を取った人たちがいて、暗闇と苦悩に満ちあふれています。
トルーディ:まるで地獄ね。
ジェームズ:そうかもしれませんね。アールは天国で、恐怖心や欲望がいかに彼の分別をなくさせたかを学んでいます。彼は自分の強欲さと物質主義的な考え方に苦しくなっているんです。彼の魂は、自分の想念と行為に苦しむだけではすまないのです。彼が損害を与えた人々の苦悶も体験しなければならないのです。彼にはやらなければならないことが、山ほどあります。
◎キリスト教ではイエス キリストが十字架にかかって私たちの罪を背負って下さったと説き、キリストを信じれば自分たちの犯した罪が全て帳消しになり、死後、天国へ行けると教えます。
こうした教えに安堵し、希望と感じる人もいます。しかし真の希望ではありません。もしアールがキリスト教徒だったとしても、死後同じところにたどりつき、何一つ帳消しになっていないことを知ります。
いかなる宗教・宗教者も、誰かのカルマに介入する力はありません。天国には個々の霊的成長に適合した界層(暮らす境涯)が無数に存在し、その人の精神性を何一つ隠すことなく、ありのままを表したところに導かれます。
また、天国は類は友を呼ぶ世界で、自分が暮らす界層には、自分と同じ波長を放つ人しかいません。自身が一定程度の霊的成長を得るまでは、上のレベルの界層にはいけません。下の界層にはいつでもいけますが、特別な使命でもない限り、誰も行きたいとは思いません。霊的成長とは、心に愛を育んでいくことであり、全ての人が天国で最も求め続けることです。
地上人生の生き方がいかに大事か、ということを私たちはアールの経験から心に留めておきたいところです。またアールのように、人は死後、各自の霊的成長にとって最も重要なことに取り組みます。そうすることで、今よりも大いなる恩恵が得られると絶対的な確信を持つようになります。
この後、アールはジェームズに、子供時代はいつも二人の兄から暴力を受け、両親からも愛されなかったため、自分に自信のない大人に成長してしまったと話しました。
ジェームズは、アールが人を騙すような人間になった経緯を理解し、慈悲の心を持ってほしいとトルーディにお願いしました。さらに、アールが天国からトルーディと夫のジョーを助けようとしてきたことを伝えました。トルーディは突然夫の名前が出てきたことに驚きます。今度はジェームズの問いかけに、トルーディの隣に座っている息子のスティーブンがこたえます。
最も憎んでいた人が、夫を助けてくれた
ジェームズ:ワトキンズ医師をご存じですか?
スティーブン(息子):ええ、私の父の主治医です。
ジェームズ:あなたのお父様は、医師が誤診したせいで、命を落としかけたことがあるとアールが言っています。
スティーブン:どうしてそんなことがわかるんですか?
ジェームズ:ワトキンズ医師がお父様の病室に入ってきましたね?彼は七階に来たと思い込んでいましたが、実は六階にいました。そして他の患者を診るつもりで、あなたのお父様の病室に入ってきました。ワトキンズ医師はお父様を診ると、他の医師が見逃していた病状の原因を突き止めました。肺の中でアレルギー反応が起こっていました。
スティーブン:全く見ず知らずの医師が、どうして病室に入って正しい判断をしてくれたのか不思議でした。その時は全く理由がわかりませんでした。私たちの祈りが聞き入れられ、この医師が天国から送り込まれたということにしていました。
ジェームズ:まさにその通りです。そう仕向けたのはアールです。
スティーブン:まさか!
トルーディ:私は信じるわ!彼が全ての持ち金を渡すよう私たちを説得できたんだから、医者だって思うように説得できると思わない?(穏やかな表情でジェームズを見て)アールにもう心配することはないと伝えて下さい。私の夫のジョーを救ってくれてありがとうと伝えて下さい!
ジェームズ:彼にはあなたの声が聞こえていますよ。
◎アールには声が聞こえるだけでなく、地上の人の姿、そして身体を取り巻くエネルギーフィールド(オーラ)が見えます。ちなみに、高い霊的進化を遂げた霊の場合、もはや地上の人間の身体は見えず霊体のみが見えます。交霊会に訪れても、椅子などの物体も見えません。波長が大きく異なるためです。
なお、アールはワトキンズ医師のオーラに思念を送り、影響を与えました。霊はこのように地上の人間の行動に影響を与えることができます。アールはこの時、助命という崇高な目的を持っていたので、ワトキンズ医師に近づくことができました。両者の波長が一致しているためです。善なる人は善なる霊のみを呼び寄せ、その反対も同じです。
最後にジェームズは観客の全員に、アールに愛と許しの祈りを送るようお願いしました。祈りの念が、彼を援助する霊団を差し向け、アールの霊的意識レベルを一つ上の段階へ上げ、彼に癒しと勇気を与えることができるためです。地上からの祈りは、他界された全ての人にとって、大変重要な意味を持ちます。
トルーディは、アールに許しという大きな愛を与えました。許しがたい人を許し、強い怒りを手放したことで、心に癒しの力が流れ込みます。誰かを許すことは、自分を愛することにつながるという素晴らしいお手本です。
アールにはまだ他にも意図的に傷つけてしまった人がたくさんいて、全員が他界して天国に来るまで待って直接謝罪し、許してもらわねばなりません。そうしなければ、彼には天国でも本当の幸せはやってきません。トルーディへの謝罪は、その第一歩です。
アールは今後、支援してくれる霊団の元、多くを学び続けることでしょう。彼は生前、愛に飢えていました。こういう方は死後、霊団から与えられる愛にとても敏感に反応します。愛は人間を大きく成長させます。地上人生でも死後の世界でも、人間の生命活動には愛が不可欠なのです。愛は与えることだけでなく、受け取ることも大事にしたいですね。
霊的知識の神髄
霊的知識は、私たち人間が死後も生き続けること、愛する人・ペットとは死によって永遠に別れるわけではなく必ずいつか再会できること、地上人生の生き方が死後に暮らす環境に大きな影響を与えるという、とてもシンプルなことを伝えています。
当ブログではそうした霊的真実を、全ての宗教から離れた立場から、できるだけわかりやすく皆様に共有することを心がけています。
私たちは皆、今から500年後も1000年後も生きています。それが嫌だという方も、拒否することはできません。あなたは霊的存在ゆえ、死を超え確実に生き続けます。
自分との関係は永遠に続くのです。だからこそ、この地上人生でありのままの自分を受け入れ、どんな時も自分を応援し、信頼することで、自分自身と良好な関係を築いていきたいですね。
2022年は、今回の記事で最後となります。皆様の貴重なお時間の中から、当ブログの記事を読んで頂けることを大変ありがたく思っています。また、中には霊的体験談を共有して下さったり、毎晩就寝前に読んでいる、友人にも紹介した、記事に救われたというメッセージや、心のこもった感謝、励ましの言葉を送って下さる方もいらっしゃいます。
皆様のとても温かいお言葉とご支援に、心から感謝申し上げます。全ての読者の皆様が、希望を胸に毎日を笑顔で過ごせますように。
今年も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:人生をもっと幸せに生きるために(河出書房出版)=本文交霊会の様子を引用、もう一度会えたら(光文社)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、私の霊界紀行(潮文社)、パワー・オブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、インペレーターの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、こころが満たされる本(大和書房)、こころが安らぐ本(大和書房)