ニューヨークで開かれたジェームズ ヴァン プラグ氏の交霊会に、女性の霊が現れ、プラグ氏にJ・Tというイニシャルを伝えてきました。プラグ氏が観客に尋ねると、それは友人に強引に連れてこられた、霊の世界を全く信じていないジェイクという男性のことでした。
娘のメッセージを拒否する父親
ジェームズ:ジェイク、あなたの隣に女性の霊が立っています。彼女は病院のイメージを送ってきています。聖ビンセント病院で亡くなったそうです。
ジェイク:何のことだか全くわかりません。
ジェームズ:彼女は私に、血と黒っぽい斑点を見せてくれています。癌で亡くなりました。
ジェイク:私は本当に、参加したくないんです。
ジェームズ:いいですか、ジェイク。この女性の霊は、あなたにどうしても伝えたいことがあるのに、あなたが心を開かないのなら無理強いはできません。
ジェイク:私は本当に、霊的なことを信じていないんです。この霊が話したいことがあるのなら、なぜ生前話してくれなかったのですか?
ジェームズ:この女性の霊はあなたの娘さんですね?彼女は長期間入院していて、あなたに電話をしたが、あなたは電話にでなかった。けんかをしていたのですね?
*ジェイクは質問に答えませんでした。
ジェームズ:せめて、娘さんの霊ということだけでも認めていただけますか?
*ジェイクは何も答えず、ジェイクを連れてきた友人の男性が「そうです、セシリアは彼の娘です。昨年、白血病で亡くなりました」と答えました。
◎天国から訪れた霊は、霊能者とコミュニケーションを取る際、地上の人間から霊的エネルギーを少し採取する必要があります。セシリアの場合、父親の身体を取り巻くオーラから採取します。エネルギーを採取された人は若干の眠気を覚えることがありますが、体調に悪影響を及ぼすようなことはありません。
ジェイクのように霊的なことに心を閉ざしている人の場合、霊はエネルギーを採取するのがとても困難になり、プラグ氏が「やりにくくて仕方がない」と述べるほど、霊的コミュニケーションに支障がでます。セシリアは仕方なく、父親の隣に座っている友人の男性から、霊的エネルギーを採取することにしました。
泣きながらメッセージを伝える娘に、父は・・・
ジェームズ:あなたはセシリアと、彼女の夫のことで喧嘩をしたんですね?セシリアは、彼女の夫がイスラム教徒であったことにあなたが腹を立て、結婚を認めなかったと言っています。
ジェイク:彼のことは好きではなかったけれど、イスラム教徒だったからではありません。
ジェームズ:セシリアは、あなたを許したことを伝えようとしているのです。彼女はひざまずいて、泣いています。何か言葉をかけてあげてはどうですか?
*ジェームズが何度言葉をかけても、ジェイクは口を閉ざしたまま、何も反応しませんでした。すると、セシリアの霊的ガイドが現れました。色鮮やかな着物を着た日本人の女性でした。霊的ガイドはセシリアを両腕で温かく包み込み、二人一緒に姿を消しました。
◎娘のセシリアは父の思念を読み取ることができ、なおかつ父・ジェイクの身体をとりまくオーラが視えます。オーラにはその人の感情や考えが全て記録されているため、父の罪悪感など心の全てをお見通しで、彼にとって自分からの許しがいかに重要か、セシリアは理解しています。
人は罪悪感や自責の念を持ち続けると、心が絶望に満たされます。人生の貴重な時間が無駄になり、心身の体調をも崩しかねません。セシリアは父のことを愛しているからこそ、彼を許し、和解を望み、父に立ち直って欲しいのですが、交霊会は悲しい結末を迎えました。
この交霊会からしばらくして、ジェイクからジェームズ宛てにメールが届きました。そこには交霊会での非礼を詫び、娘からのメッセージを伝えてくれたことに対する感謝の気持ちが綴られていました。セシリアの熱い想いが、鋼鉄のような父の心のバリアを溶かしたのかもしれません。
交霊会の最後に、失意のセシリアを温かく抱擁した霊的ガイドが登場しました。霊的ガイドの存在は、全ての人にとってとても大切ですので、次に霊的ガイドについてお伝えします。
あなたを深く愛する霊的ガイド
霊的ガイドは、地上人生を送る私たち一人一人にもついていて、個々の人生プランを熟知し、人生の目的を達成するために一生の間、見守り、導き、何度も直感を通してアドバイスを送ります。人生を振り返ってみれば、不思議と窮地から脱することができた経験がある方も多いと思います。
セシリアが霊的ガイドに温かく抱擁されたように、霊的ガイドは自分が担当する霊または地上の人間に大変深い愛を持っていて、何があっても絶対に見放すことはありません。
交霊会では時々、霊的ガイドがメッセージを伝える時があります。すると天国の住人は一旦話すのをやめ、「この人の言うことをよく聞くんだよ」と地上の家族や友人に言って、優先的にメッセージを心に留めるよう敬意を払います。霊的ガイドとは、そういう存在なのです。
なお、セシリアの霊的ガイドが、かつて日本で一生を送った女性だったように、私たちの霊的ガイドの前世の国籍や人種も様々です。霊の世界では言語ではなく思念でコミュニケーションをとるので、お互いの母国語の相違は全く問題になりません。
ちなみに霊的ガイドの背後には、さらに霊格の高い霊的ガイドが援助にあたり、その霊的ガイドの背後にもさらに霊格の高い霊的ガイドがいて・・・と、霊の世界は幾重にも渡る重厚な支援体制がとられています。
霊格という言葉を使いましたが、霊の世界では心優しい人、特につらい時・苦しい時も思いやりのある言動を忘れない人ほど‟偉い人”とされます。反対に威張っている人、意図的に人を傷つけるような言動をする人ほど、霊格は下がります。天国では霊格が、暮らす環境、行動範囲、霊体そのものに完璧に反映されます。
一日数分でも、瞑想などして心身をリラックスさせ、霊的ガイドの高い波長と一致させるようつとめると、霊的ガイドが援助しやすくなります。しかし私達が、心配や取り越し苦労など、ネガティブな思考を日常的に抱いていると、オーラが陰鬱になり、霊的ガイドの援助をはねのけてしまいます。不安な時ほど、繰り返し深呼吸することを意識したいですね。
霊的ガイドが最も困ってしまうのが、セシリアの父親のように、霊的なことに頑なに心を閉ざしている場合です。付け入るスキがなく、なかなか援助できません。そのまま一生を終えると、とても困ることになります。どうなるのか、次に詳しくお伝えします。
死後の世界を拒絶する魂の行く末
霊的なことを受け入れられない頑な魂の持ち主は、霊の世界の住人からみれば、聞き分けの悪い幼児のように映ります。一生を終えた後は、霊的な波長に感応せず、天国の中でも物質色の強い下層域の境涯に引き寄せられます。周囲には、世界中から同じような考えを持つ男女が集まります。
他界後、家族や友人からの心のこもった祈りがあれば、霊的覚醒が促進されますが、通常、死の直後は長い休眠状態になり、天国で目覚めるまでに多くの時を要します。目覚めた後も周囲の人に「あなたはもう亡くなったんですよ」と言われても、その事実を一切受け入れません。
その場合、本人の霊的自覚が芽生えるまでじっくり待った上で、霊的ガイドによる霊的な教育が行われます。中には自覚が芽生えるまで地上の時間で数百年、数千年以上かかる人もいます。霊の世界では各自の自覚が全てなのです。
こういう人は、決して見放されたのではありません。人間は自らの意思により、霊的なことを否定しながら、数千年の時をも放浪する自由が与えられているのです。天国でも、誰も霊的知識を受け入れるよう強要しません。霊の世界では、それも神の深い愛の一部と考えらえています。
高級霊からの霊界通信・シルバーバーチの霊訓では、他界後も霊的自覚のない人達について、こう記されています。
これがとても厄介なのです。それはちょうど社会生活について何の予備知識を持たないまま、大人の世界に放り込まれた人と同じです。地上において、霊界での生活に備えた教訓を何一つ学ばずに人生を終えたのです。何の準備もできておらず、霊界に適応できません。
でも援助してくれる人がいるのでは?という質問に対し、高級霊・シルバーバーチはこう述べています。
出来るだけのことはします。しかし本人に自覚が芽生えるまでは、暗闇の中にいます。自覚のないところに、光は差し込めないのです。自覚のない魂は霊界側では手の施しようがありませんから、もう一度地上へ誕生せざるを得ない場合があります。
天国には時間もなければ昼夜もありませんが、太陽とは異なる光源があり、多くの人が死後たどりつく境涯は、明るく美しい光に辺り一面が照らされています。しかし、霊的なことに感応できない人ほど、薄暗い界層に導かれます。
特に地上人生で残虐行為や詐欺行為など、意図的に誰かに恐怖を与えた人は、最下層域の真っ暗闇の境涯に導かれます。真っ暗でも、霊眼によりうっすら周囲が見えます。周囲には自分と同じような残虐性の強い人しかおらず、大気が憎悪と緊張に満ち、恐怖の極限状態におかれます。それは地上人生で、自分が他人に与えた恐怖心なのです。
こうした境涯に導かれた人でも、真摯な反省、向上したいという想い一つで、すぐに援助してくれる霊的ガイドが現れ、少しずつ上の界層へ上がっていくことができますが、多くの場合、霊的知識がないため、永遠にここにいるのかという絶望感に満たされます。
彼らは時に大挙して悪意を持って地上に押し寄せ、自分と同質の人間に悪影響を及ぼします。だからこそ、霊的ガイドを含めた霊の世界に暮らす住人は、霊的進化の道を遅れてくる人たちを突き放すのではなく、愛を持って可能な限り引き上げ、更生させる努力を惜しみません。
天国の下層域には他にも、宗教的教義にがんじがらめになっている人、差別的な思考を持つ人、物欲・権力欲などの強欲から抜け出せない人たちなどがひしめき、一人一人を霊的に教育する必要があり、途方もない労力を要することが、霊界側で大きな問題となっています。
霊の世界は精神を基調とした世界であり、個々の信念・意思が何よりも尊重されるため、霊的教育は地上で行うよりずっと困難を極めます。
交霊会における霊能力の実演は、低界層に導かれる人を一人でも減らすべく、霊的世界の実在を、確信を持って受け入れてもらう意図もあります。微力ながら当ブログも、霊的知識普及に、できる限り尽力していきたいと思います。
今日も最後まで希望発見ブログを読みいただき、ありがとうございました。
Your spiritual friend,Lani
参考文献:人生をもっと幸せに生きるために(河出書房出版)=本文交霊会の様子を引用、もう一度会えたら(光文社)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、私の霊界紀行(潮文社)、パワー・オブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、インペレーターの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、こころが満たされる本(大和書房)、こころが安らぐ本(大和書房)