瞑想はあなたの心に安らぎをもたらし、ストレスをやわらげ、人生を好転させ、ネガティブなことを人生から追放します。静けさの中でこそ、あなたは神を感じられるのです。
ウエイン ダイアー
人は皆つながっている
前回の記事では、牧師という立場にありながら、霊的知識を普及する道を選んだジョージ オーエンや、霊現象を科学的に立証した上で、霊的知識普及に人生を捧げた人々についてお伝えしました。
霊界と地上世界双方の住人の並々ならぬ努力の上に存在する霊的知識ですが、最初から素直に受け入れられる人は稀です。特に人生が順風満帆だと感じている時に、意識が普段の物質的な視点を超越して霊的な視点に移ることは滅多にありません。
そのきっかけとなりうるのは、愛する人やペットを亡くしたり、自身や家族の深刻な闘病生活、貧苦や人間関係における艱難など、それまでの人生観が大きく変転するような過酷な出来事に遭遇した時です。
人は一生のうちに一度は、霊的知識を享受する機会を与えられるようになっていますが、様々な思い込みや執着心、依存的な習慣があると、せっかくの機会が奪われてしまいます。
中でも特定の宗教へ信仰心が深いと、霊的知識を寄せつけません。地上人生ではそれでよくても、宗教が描く死後の世界は天国のどこを探し回っても存在しないため、信心深い人ほど死後必然的に天国の低い界層に導かれたり、地縛霊になってしまう可能性が高くなるので気をつけたいところです。
人類史において、今よりも遥かに霊性の低い時代に生きた人々は「私を信じてくれた人だけを、天国へ導いてあげよう」と豪語する偏屈な神をつくりあげました。さらに「あなたがどんな罪を犯したとしても、私を信じれば全部許される。」と事実無根の救済力を持たせて人気を博し、その神に仕える宗教組織及び宗教者は権力を持つようになりました。
日本人に身近な仏教にも、インドや中国で勝手に創作された死後の世界や偽りの救済力を持つ仏、または霊的に無意味の教義・慣習が多々あります。
現代という霊的に最先端の時代を生きる私たちは、一度立ち止まって理性的になれば、どこかの宗教の熱烈な信者になったり、「御利益」「開運」という言葉を掲げる神社仏閣やパワースポットにいくら足を運んでも、霊的に1ミリでも優遇されたり、救済されるわけではないことを、理解できるはずです。
伝統的教義を信じる人は、まだまだ霊的成長の初歩にいるのだと、シルバーバーチなど高級霊による霊界通信は伝えています。人は誰しも「信じる」という素晴らしい能力を備えていますが、そこに理性と知識の土台があってこそ、真実にたどり着けます。
直近の記事でご紹介した牧師のジョージ オーエンは、徹底的に自らの理性に照らし合わせ、教義と霊的知識の狭間で真実を見極めようとしました。その結果、最終的に教義から脱するまでに25年もの歳月を要しました。霊的には、25年かけてでも地上人生を送るうちに教義を手放せたことは彼にとって最大の幸福でした。死後の世界まで信仰心を持ち込むと、手放すことがさらに困難になり、新たな人生のスタート地点でつまずいてしまうためです。
次にご紹介するのは、ある神父が霊能者を介して交霊した時の様子です。日本人の大多数がキリスト教に馴染みがなく、神父と聞いただけで「自分とは関係ない」と思われる方もいるかもしれませんが、 人間は人種、国籍、宗教、性別、年齢、血縁に関係なく、皆霊的一大家族であるという霊的見地に立てば、自分と異なる視点を持つ人に自ら一歩近づいて理解を深めることに、地上人生の意義があります。
救いは常にあなたの中にある
霊能者ジェームズ ヴァン プラグ氏の元に、ウォーレン神父が交霊を求めてやってきました。
プラグ氏が交霊を始めると、聖職者の服装をした男性の霊が現れました。ウォーレン神父の友人だったイーガン神父です。
ジェームズ:イーガン神父がいます。彼は他界した時、何がなんだかわからなかったと言っています。
ウォーレン神父:なぜでしょう。彼はとても信心深かったんです。絶対に真っすぐに天国へ行ったはずです。
ジェームズ:天国には何一つ彼の期待したものはなかったそうです。迎え入れてくれる聖人もおらず、天使の聖歌隊やイエス様も現れなかったと。そのため彼は死後も、地上に戻り生前祈りに使っていた部屋にいるそうです。
ウォーレン神父:(ショックを受け)どういうことでしょう?
ジェームズ:彼は、死後に体験できると教会で教えられたことは何一つ起こらなかったと言っています。彼が信じた天国にはいないのです。
ウォーレン神父:それはあり得ない!私たちは神父です。イエス様と教会にお仕えしているんです。私たちが教えている天国が存在しないなんてことがあるんでしょうか?
ジェームズ:天国は、あなたが考えているような限定された場所ではありません。神はイーガン神父の心の中にいるんです。
ウォーレン神父:あなたを信じていいのかわかりません。
ジェームズ:イーガン神父は、私たちがイエス様のように天国にのぼることができるのは、心の中を見つめて本当の自分を見つけた時だけだと言っています。
◎この交霊から数週間後、ウォーレン神父はこれまで教義にひたすら従ってきたこれまでの言動を改め、自分の信じる道を進むことにしたとプラグ氏に連絡しました。
信者の多い宗教ほど、その教義に矛盾や不合理を感じ、理解に苦しんでいる人が多いことも事実です。以下の内容は受け入れられる範囲でお読みください。
イエス キリストと知られる人物は、キリスト教の祖と信じられていますが、西暦325年にコンスタンティヌス帝の命令で開かれたニケーア公会議で、キリスト教がローマ帝国の国教と議決されたプロセスの中で勝手に創造されたことで、彼はキリスト教とは全く関係がありません。
ニケーア公会議にはローマ帝国の支配下にある国々から、約二千人もの司教が参加しました。宗教が国政と一体化したことにより、聖職者が施政者の私欲に加担し、イエスの実像や言行は大幅に改ざんされ、それが今日の新約聖書の原型となりました。そして「最後の審判」や「贖罪」のような、のちに西洋史だけでなく霊の世界にも暗黒時代をもたらす独断的教義が制定されました。
イエスの再臨についても、イエスがもう一度肉体をまとって戻るかのように信じられていますが、当時の人々は高度な霊性を持つイエスの言葉を理解できませんでした。
霊的知識のある人なら、イエスほど霊的に進化向上した霊は、もう二度と地上圏に戻れないことを知っています。それは霊的メカニズム上、絶対に不可能なのです。
イエス再臨の霊的真意は、イエスが語った霊的知識が、もう一度語られる日がくるということです。前回の記事でお伝えした通り、霊界の最高位の界層に暮らす高級霊団が、綿密な計画を練った上で地上社会に再度霊的知識を伝え始めました。それが最初に地上に顕現したのが1848年です。
これを近代スピリチュアリズムと呼びますが、その最高指揮官こそイエスであり、イエスはアーネル霊団やシルバーバーチ霊団を霊的知識を伝える中継者として抜擢し、地上社会に影響力として戻ってきました。
イエスはすでに再臨を果たしていて、皮肉にもその最大の目的の一つに宗教界、特にキリスト教組織の浄化があります。そうとも知らず、真摯に「神の道」を伝えてきたイーガン神父は、気の毒にも死後、生涯信じぬいてきたキリスト教が描く天国が存在せず、教義を信じたばかりに地縛霊になってしまいました。このような悲劇が、死後の世界では頻発しているのです。
プラグ氏は「神はイーガン神父の心の中にある」と言いました。イエスも「神の御国はあなた方の中にある」(ルカ17・22)と言っています。
神とは無限の愛であり、それは霊的存在である私たち一人一人に内在していて、同時に私たちは、常に神の愛の中にいます。その愛を日常生活の中で実践していくことが、地上に生まれてきた最大の目的であり、愛に基づいた言動こそが霊的成長に直結し、自分を救うことにつながります。人間は神を信じることによって救われるのではなく、愛ある言動によって神を体現することで救われるのです。
相手がたった一人でも、たった一匹の動物でも、本気で誰かに愛を与えることができたなら、あなたは立派に使命を果たしたことになります。神の愛の力が、あなたを通して地上世界に確かに顕現したことを意味するからです。
瞑想することで、霊的意識の中へ
イーガン神父の言う「心の中を見つめて、本当の自分を見つける」ことは、ただ単に日常を無意識に生きていてはできません。それには、意識を心の内奥へ向けることが必要で、瞑想が最適な方法です。
瞑想をすると、日常的に使用している通常意識が霊的意識とつながります。霊的意識は超意識とか超越意識と呼ばれることもありますが、普段私たちが認知している意識の奥にさらに果てしなく広がる深い意識レベルがあるのです。
霊的ガイドや先に他界した人が、霊の世界から地上の愛する人を援助する時は、霊的意識を通じて行います。インスピレーションとか直感とか呼ばれる瞬発的な思念の送受信も、この霊的意識が役目を果たしています。
瞑想を日常生活に取り入れると、困難な時に解決策を思いついたり、心が傷がそれまでにないほど癒されたり、人生が好転しだします。それは霊的意識に霊の世界の住人が霊力を働きかけやすくなるだけでなく、静穏でポジティブになったあなたの日常の思念が、同調する現実を引き寄せるためです。
また、通常意識はどれほど注意深く物事を判断しても間違うことがありますが、霊的意識に到達すると、判断を間違うことがありません。ですから何か決断する時は、自分の直感を大事にするとよいのです。
瞑想とは心と身体の脱力タイムです。坐禅のような堅苦しいイメージは全く不要で、初めてする方は、ただ単に横になるかゆったり座るかして、まず脱力(全身の力を徹底的に抜くこと)が大切です。あごや首、肩などに無意識のうちに力が入っていることに気づいたら、意識して脱力してみます。
全身の力を抜いたら、視覚的な情報の流入を遮断するために、目を閉じます。そして、肺の奥までゆったり息を吸い込むように、鼻から息を大きく吸って口からゆっくりと吐き出します。
これを心が安らぐまで数分間何度か繰り返し続けていくと、身体の感覚が徐々になくなっていきます。それは意識が身体から霊体へと移り、通常意識が霊的意識と連結したことを意味します。毎日続けると、霊的意識への到達が簡単になり、すぐに深い安らぎを感じられます。
瞑想は静けさの中で行います。テレビをつけながらとか雑音の中では心は休まりません。また同居人がいる場合は、途中で遮られないよう注意が必要です。
霊体は身体を守ろうとする習性があり、瞑想中に突然声をかけられたり、大きな物音がすると、霊的意識が引っ込んで、通常意識に戻ってしまいます。イヤホンやヘッドホンをして、瞑想用の音楽や自然音を聴くことも良い方法です。
瞑想中に涙が込み上げてきたら、とことん涙を流して、また深い呼吸をしてみて下さい。癒しの力が流れている証拠です。日常的に強いストレスにさらされている方は、呼吸が浅くなりがちで、それが心身の不調に繋がりかねません。「息を吸うことは癒しの力を吸い込むことで、息を吐くことは、不安や緊張を吐き出すこと」というイメージを持って下さい。
まずは数分間続けてみて、慣れてきたら10分から15分に伸ばします。 最初のうちは、自分の呼吸にのみ意識を向けるようにします。瞑想中に様々な考えがよぎっても大丈夫です。必死に無になろうとすると新たな緊張を生んでしまいます。むしろ、瞑想中に頭をよぎる様々な考えに気づき、それを手放すことが大切です。
いろんな考えが頭をよぎったら、その都度自分の呼吸に意識を戻して、今この瞬間にのみ心をいっぱいにし(マインドフルネス)、ただ安らぎを感じながらリラックスしましょう。毎日続けることが理想ですが、数週間、数か月あいても大丈夫です。また始めてみて下さい。
不安を勇気に、怒りを許しに
瞑想して精神を統一することは、死後の世界でも大いに役立ちます。いつか地上人生の終焉が訪れた後、霊体で目を覚ました時には、周囲の全てが霊的な環境で、思念が支配する世界です。そこではたとえば移動する際、精神を統一し、思念だけで移動します。
20世紀最高の霊能者の一人、グラディス レナードのもとを訪れたC.トーマスは、天国に暮らす友人から、他界直後の思念による移動の様子を以下のように教えてもらいました。
霊的ガイドには「まず精神を静め、頭の中で会いたい人のことを考えてその人のところに行こうと思って下さい。それだけでその人のところに行けます。」と説明を受けました。この説明に間違いはありませんでした。目的地へ行くのにわざわざ足を使わなくても、ただ目をつむって地上で瞑想していた時のように精神を統一すれば、いつの間にかそこに来ているのです。同伴者がいれば、一緒に同じことをします。家に帰りたいときは家のことを念じるともう家についています。面白いので何回も行ったり戻ったりして遊びました。周囲の人も新入りの私が練習しているところを、楽しそうに見ていました。
◎移動以外にも、コミュニケーション方法が言語から思念へと移行します。自分が心に思ったことが相手に伝わり、相手が思ったことを受け取ります。地上時代の母国語に関係なく、同じ界層に暮らす人なら誰とでもコミュニケーションが可能になります。
この他、一斉に複数の人に連絡したり、必要なものを作り出すのも、精神を統一して思念をコントロールすることによって行われます。そのため瞑想を日常的にしておくと、いつか死後の世界で新たな人生を歩む時に、順応がとてもスムーズです。
何よりも、瞑想して日常的に高次元の無限の愛の世界である霊的意識に繋がっておけば、宗教同様に死後の世界で多くの人の幸せを奪うアルコールや薬物、ギャンブルへの依存症及び権力欲、物欲のような物質世界特有の過度な欲望を断ち切ることに役立ちます。
そして、過去に植えつけられたネガティブな人生観、誰かに言われたひどい言葉やどうしても許せなかった出来事など、それらの傷を隅々まで癒す力があります。心配したり怒ったり、落ち込んだりする時間を減らしていけるのです。
瞑想によって自分の中に深い愛があると知っている人は、宗教に頼ることもなければ、他人の言動や評価にも惑わされません。世界がどれほど混沌とし、非難や憎しみが飛び交っても動じることなく、不安を勇気に、弱気を強気に、怒りを許しに、悲観を楽観に変えることができます。それが、霊的存在であるあなたにふさわしい生き方です。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献等:シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、インぺレーターの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新社・本文中交霊の様子を引用)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、聖書の実像(太陽出版)、超能力を開発する本(潮文社・本文中思念の移動方法を引用)、スピリチュアルパワーに目覚める10の秘密(PHP出版)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、これが死後の世界だ(潮文社)