アラン カルデック*スピリチュアリズムの先駆けとして
当ブログでは霊的知識をお伝えするにあたり、時には100年以上前の霊界通信をご紹介することもあります。霊界通信の中で世界的なロングセラーとして知られているのが、ステイントン モーゼスの「霊訓」、ジョージ オーエンの「ベールの彼方の生活」、モーリス バーバネルの「シルバーバーチの霊訓」です。
19世紀後半から20世紀にかけて、重厚な霊界通信が次々と伝えられたのは決して偶然ではなく、霊界側の壮大な計画がありました。それは地上の既存宗教が存在意義を失い、霊的無知によって紛争、不正、暴力が蔓延する地上社会に、確実に霊的知識を普及させようとするスピリチュアリズムと呼ばれる史上最大の計画です。
霊界側からの地上への働きかけは、1848年にのろしを上げます。アメリカ・ニューヨーク州のハイズビル村にあるフォックス家で起きた霊現象が、ハイズビル事件として一大ニュースとなりました。
その影響が全米だけでなくヨーロッパまで広がり、世界的な科学者や文学者、法律家、医師など当時の第一級の知識人たちが、人生をかけて霊的な現象や霊能力の科学実験を繰り返し行い、霊能力や霊的世界の実在が次々と科学的に証明されることとなりました。この流れは、日本や南米、アフリカまで広がります。
当初は「霊能力など全てインチキだ、私が嘘を暴いてやる!」と意気込んでいた科学者たちが、自ら厳しい実験をしたのち、次々と霊的世界の実在を肯定する第一人者に変わっていきました。
大きな発見の一つにエクトプラズムがあります。これは霊が姿を現したり、音を出したり物を動かす時などに使用される霊的な物質で、霊がその場にいる人間から少しずつエネルギーを抽出し、それを霊的な物質と化合して生成されます。エネルギーを採取された人間は、眠気や寒気を覚えることがあります。
エクトプラズムという名は、フランス人ノーベル賞受賞者で生理学者のシャルル リシェ氏がギリシャ語から命名しました。フランスではリシェ氏以外にも同じくノーベル賞受賞者の哲学者アンリ ベルグソン、天文学者カミーユ フラマリオンが霊的世界探求に情熱を捧げました。
今回の記事でご紹介するのは、アラン カルデックというフランスで霊的知識の普及に努めた人が受け取った霊界通信です。アラン カルデックという名は、霊界通信で伝えられた彼の前世の名からとったペンネームです。
科学と医学を修め教育学者として活躍していたカルデックは、ビクトリアン サンドゥーという霊能者の交霊会にて、霊的世界の実像についてたくさん質問を事前に用意し、その質疑応答の内容を1857年に「霊の書」として出版し、大反響を呼びました。
次に霊界通信について基礎知識をお伝えした後、「霊の書」で伝えられた通信内容をお伝えします。
最低限知っておきたい霊界通信の特徴
霊界通信は高度な霊的進化を遂げた霊が集まり、グループ(霊団)を組んで送っています。今回、アラン カルデックに通信を送ってきた霊団には、アウグストゥス、プラトン、ソクラテスなど、史上、名の知られた霊や中世に活躍したフランス人が含まれていて、彼らを束ねる統括霊が13世紀にフランス王国を44年間統治したルイ9世です。
なお、霊界通信は地上人生で有名だった人が送ってきた通信が優れていて、無名だった人が送ってたものが劣っているわけではありません。地上時代の社会的地位や著名度はたいした意味がなく、大切なのはとにかくその内容です。
霊界通信は人類をより良い方向に導くという明確な意図があり、霊的に進化した霊ほど、地上時代の自分の功績を自慢したり、道徳的に首をかしげるようなことはまず言いません。
ちなみに、一つの霊団が霊界通信を送る時は、必ずその背後にさらに霊的に進化した霊団が見守っています。その霊団の背後にもさらに上の霊的レベルの霊団が控え、その霊団にもさらに上の・・・というふうに、幾重にも支援体制が築かれています。
その組織の頂点には「神庁」があり、そこで地上人類のために計画された内容から外れたことは、いかなる霊団も絶対に言ってはならないというルールがあり、霊界通信を終えた後は、各霊団のトップは必ず進捗状況を報告しさらに指示を仰ぎ次回に生かす、という厳重な管理が行われています。
このように霊の世界に高度な組織体制が敷かれている理由は、人は死後何百年、何千年たっても霊的進化の途中であり、決して全知全能ではなく、間違いをおかすことがあるためです。
また霊団の中でも一人一人が特別な役割を担っています。例えばある霊は、地上の霊能者との霊的な通信網を管理し、またある霊は霊界側と霊能者がコミュニケーションをとっている間に、邪魔をするような霊が入り込まないよう目を光らせています。
それでは今回から複数回にわけて、当ブログ上では最古となる霊界通信「霊の書」から、霊的知識を皆様と共有致します。
Q1~Q3:死の瞬間とその直後
以下、アラン カルデックの質問に、ルイ9世率いる霊団が答えます。
Q1:死の瞬間、魂が肉体から分離する時は、苦痛を伴いますか?
A1:苦痛はありません。死に際して魂自身は肉体に生じている変化を意識しないものです。それどころか肉体から解放されることを(魂のレベルで)自覚して、むしろ嬉しさでワクワクしていることがよくあります。肉体が死滅することによって、魂は再び永遠の世界(天国)に戻るわけです。魂は死後も個性を失うことはありません。
Q2:死の瞬間、霊体(魂)と肉体の分離はどのように行われるのですか?
A2:一生の間、霊体と肉体をつなぎとめていたシルバーコードが切れ、霊体は肉体から離れていきます。
◎病気によって死を迎える場合は、霊体と肉体をつなぐシルバーコードが徐々に緩まった上で切断されますが、交通事故のように突発的に死の瞬間が訪れると、シルバーコードが瞬時に切断され霊体が肉体から放り出されたような形になります。
通常、すぐに先に他界した家族や友人の出迎えを受け、死の事実を受け入れていきますが、突然の出来事に動揺が大きい場合は、霊界の病院のような場所に導かれ、しばらく調整期間が設けられます。霊的知識があれば、スムーズに順応していきます。
Q3:今まさに死を迎える人が、これから帰って行く霊の世界を垣間見ることはありますか?
A3:シルバーコードが緩むと、人は魂のレベルでその分離現象を促進して一刻も早く完了させようとするものです。その際、これから入っていく霊的世界が目の前に広がり、それを楽しく眺めていることがあります。
◎病気などで肉体の力が弱まると、霊体の力が強くなります。つまり肉眼ではなく、霊眼が使えるようになってきます。すると、死の際に天国から迎えにきてくれた家族や友人、かつて飼っていたペットの姿が見えることがあります。
霊眼が開くと、息をのむような天国の美しい光景が目の前に広がり、死に対して一切不安がなくなり、深い安心感に包まれます。(ただし、自ら命を絶つとこのプロセスは大きく異なりますので、誤解のないようお願い致します)
Q4~Q6:死後の世界と霊的知識
Q4:死後、地上人生の知り合いで先に他界した人に会えますか?
A4:会えます。ただ、愛情関係の度合いによってすぐに会える人と、なかなか会えない人がいます。また前世で知り合いだったのに、あなたが地上へ行ってしまったので、その間会えなかった人が出迎えてくれることもあります。
Q5:霊的知識を知っていることは、死後の世界の目覚めに影響がありますか?
A5:大いにあります。これから置かれる自分の新しい環境について、あらかじめ理解ができていることになるからです。
Q6:地上へ生まれ変わってくる目的は何ですか?またその回数はどの霊も同じですか?
A6:目的はカルマのバランスを取ることと、霊的な進歩・向上です。人生を地上で過ごすごとに、霊は一歩向上します。それを重ねて不純なものを浄化し、霊的に一定程度成長すれば、もう地上に生まれてくる必要はなくなります。生まれてくる回数は一人一人違います。霊的成長の早い人は少なく済みます。
◎霊的な学びは、人間は永遠に生きる霊的な存在ということを理解することから始まります。霊的存在とは、一人一人がとても神聖な存在であり、私達は皆、愛にあふれた素晴らしい人生を送る価値があることを意味します。そうと知っていれば、誰かを意図的に傷つけるような言動はまずしません。そして忘れがちなのが、自分自身にも敬意を持つことです。
人生でどんな状況にあっても、自分という人間を無条件に受け入れ愛すこと。これは私達が地上人生で学ぶべきとても大切な教訓です。
人は他人と自分を比べて劣等感に悩んだり、自分の素晴らしいところを見失いがちです。自分を卑下したり、つまらない存在だと思うことは、霊的に事実無根であり、自分を苦しめることにしかつながりません。
また最悪の事態ばかり想像し、自分を怖がらせるようなネガティブ思考も、自分を痛めつけているだけです。
自分を愛すとは、自分を責めたり批判することは一切やめること。自分の心身をどんな時も大切にし、常に最高の未来をはっきり思い描きながら、自分をとことん励まして心を温めることです。
自分を愛してこそ、心に癒しの力が流れます。そして自尊心と笑顔を取り戻し「私には地上人生で乗り越えられないことなど何一つない。もう誰も、何も恐れない。私には何でもできる!」と、勇気を持って大きな一歩を踏み出せます。
次回はアラン カルデックが受け取った霊界通信から、前世、夢、天国での生活についてお伝えする予定です。今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:霊の書・思想偏(心の道場)、心霊主義(白水社)、聖王ルイの世紀(白水社)、スピティズムによる福音(幻冬舎ルネッサンス)、近代スピリチュアリズムの歴史(講談社)、人生は霊的巡礼の旅(ハート出版)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、フランスものしり紀行(新潮文庫)