霊的世界の根本原理の一つに、スパイラル(らせん)構造があります。霊界(天国)の頂点から発する霊的エネルギーが、スパイラルを描きながら地球を含む下界層まで届き、その影響で地球上の芸術、古代遺跡、自然界、そして遺伝子に至るまで、スパイラルの原理がいたるところに見られます。
スパイラルとはまさに神の息吹を表すものであり、私達の人生もゴールまで一直線にはいかず、うまくいくこともあれば、遠回りすることもあります。今回はスパイラル(らせん)をキーワードに、霊的観点から私達が暮らす世界や人生の神秘に迫ります。
芸術・遺跡の中のスパイラル
一粒の砂にも 世界がある
一輪の野の花にも 天国がある
きみの手の平には 無限があり
ひとときのうちに 永遠がある
無垢の予兆(Auguries of Innocence)
この詩を書いたイギリス人アーティストのウィリアム ブレイク(1757-1827)はイングランド国歌にもなった詩を書いた人で、「私は使者の秘書であり、真の作者は永遠の神である」と言い、詩を創作する際、霊能力の一種である自動書記を使用していました。
自動書記は霊界側が人間の潜在意識をコントロールし自動的に文字を綴らせる手法で、一見摩訶不思議に感じますが、私達は皆、霊界を始源とするインスピレーションの受け取り手で、中でも作家、詩人、音楽家、画家などのアーティストや優れた手腕を持つ経営者などは、霊的インスピレーションの受け取り上手です。
ウィリアム ブレイクの絵画作品には、らせんを描いたものがいくつもあり、その中に旧約聖書の一場面を描いた「ヤコブの夢」(1805年)があります。天と地上をつなぐらせん階段を天使が行き来していて、スパイラル原理を象徴するような絵です。
(大英博物館)
らせん階段は、ヨーロッパ社会において絵画の中だけでなく、教会、博物館、美術館、一般家庭にまでよく見られ、家具にもらせん構造が見られます。
スパイラル(らせん)を平面にすると、渦巻模様になります。日本を含む世界中の古代遺跡で、壁画や出土品等に渦巻紋がたくさん発見されています。例えば縄文時代の亀ヶ岡文化の岩版には連続した渦巻紋が描かれ、ボルネオ島のプナン・トゥルサン遺跡にも巨石上に多数の渦巻紋が見られます。アイルランドの古代遺跡ニューグレンジにも多くの渦巻模様が刻まれています。
渦巻を太陽崇拝の象徴とする考古学者の方もいます。考古学の分野のみならず、宇宙、芸術、自然、人体など、何かに神秘性を感じる時、科学的な側面だけでなく、霊的な側面から考察することで新たな発見があるかもしれません。この宇宙に霊的なエネルギー(神の力)の届かない場所はないからです。
古代の人々は、現代の私達とは異なり、自然とより密接な暮らしをしていて、霊的な感覚が大変優れていました。霊能力を持つ人がいたり、遠く離れた人と思念を使ってコミュニケーションをとることもありました。森羅万象の中のスパイラルや渦を神の象徴として発見していたとしても、不思議ではありません。
宇宙・自然界のスパイラル
地球が属する銀河系は、2千億個以上ある星々が、渦を巻くように集まっています。地球は自転しながら太陽を回り、太陽系も銀河を猛スピードで回っています。また、私達が普段恩恵を受けている太陽光は、宇宙空間を毎秒三十万キロの速さで進み、直線ではなく、小さなスパイラルを描いて地球に届きます。
地上に目を向けると、マメ科などの植物にはスパイラルを描いて天に向かって生長していくものがあり、フィボナッチ数列で知られるひまわりの種の配列や松ぼっくりの鱗模様、らせん状に葉をつける植物など、自然界にはスパイラルの原理が多く見られます。
生き物はどうでしょう。最もわかりやすいのは、カタツムリですね。空では鳥がスパイラルを描きながら飛ぶなど、空でも海でも生き物は曲線を描きながら動く傾向にあります。これらも全て霊的なスパイラル原理の表れで、自由意思をあまりもたず、本能のまま生きる生物によく見られます。
地球で暮らしを続けてきた人類の文明も、スパイラルの原理に伴い少しずつ上昇(発達)してきました。人類が一度経験した文明をもう一度戻って経験することはありません。このようなスパイラルの原理は、私達の体の中にもあります。
人体(DNAとチャクラ)のスパイラル
私達のDNAは、右周りの二重らせん構造となっていることは良く知られています。人体にはもう一つ神秘的な場所があります。それはサンスクリット語で「車輪」の意味を持つチャクラです。
チャクラは霊体(オーラ)と肉体をつなぐ場所で霊的エネルギーを体内に循環させるバッテリーのような役目を果たし、主要チャクラが尾てい骨辺りから頭頂まで脊髄にそって7つ存在し、それぞれが身体の内分泌腺と関係しています。
肉眼では見えませんが、各チャクラは図のような色彩を放っていて、横に回転しています。上部のチャクラほど、速く回転しています。私はチャクラのことを学んだ当初、半信半疑でしたが、瞑想を始めてから、特に眉間の部分にあるサードアイチャクラと頭頂のクラウンチャクラの回転や振動をはっきり感じられるようになり、確信に変わりました。
よく瞑想や呼吸法の記事の中で、最初に力を完全に抜いてリラックスして下さいとお伝えしているのですが、深呼吸しながら体の力を抜くことで、肉体的な感覚が徐々に静まり、霊的な感覚が研ぎ澄まされていきます。
各チャクラは思考と密接な関係があり、健全な思考を保つとチャクラが活性化し、霊的エネルギーが身体に行き渡り、心身共に快活になります。しかし、心配や恐怖、憎しみなどのネガティブ思考は、チャクラの回転を鈍化させ、エネルギー不足となって健康にも支障をきたすことがあります。
また、冒頭にインスピレーションのお話をしましたが、チャクラなしにインスピレーション(直感)を授かることはできません。
霊界の高次の意識とつながり、直感全般に主要な役割を果たすのは頭頂にある紫色のクラウンチャクラ、画家の方などが受けとる視覚的な直感は、眉間の辺りにある藍色のサードアイチャクラ、音楽家の方が受け取る聴覚的な直感は、水色の喉のチャクラ、「あの人とは気が合いそう」など多くの人が感覚的に受け取る直感は、みぞおちにある黄色のソーラープレクサスのチャクラが関係しています。
あなたこそ、神秘中の神秘
夜空に瞬く星々や世界中で毎日美しく咲き誇る花々、時代を越えて存続し続ける古代遺跡、インスピレーションが形となり人の心を温めるアート。私達が暮らす世界は神秘にあふれ、いつも大切なことを思いださせてくれます。
それは、宇宙にある無数の天体を毎日決まった軌道に動かし、地球上の多種多様の生命の進化を何億年も支え続けているのと同じ神聖な力が、全ての人の中にもあるということです。
引き寄せの法則で知られるエイブラハム ヒックスは、神聖な力をヴォルテックス(渦)という言葉で表現し、自分の中の神聖の力と調和する生き方は、より多くの豊かさや幸せなことを引き寄せると言っています。
それは、パワースポットや有名な占い師、宗教など、特定の誰かや場所、建物を崇拝することではありません。
それは日常生活の中で、傲慢ではなく謙虚に、憎しみではなく許す心を持ち、足りないものに不満を言うのではなく、今あるものに感謝する生き方です。また、病気や貧困など望まないことに意識を向けるのではなく、常に健康や豊かさなど心から望むことに意識を向けることです。
人生の旅路において、誰しも試練に遭遇し孤独を感じたり、世界から見捨てられたように思うことがあります。でも私達一人一人が神秘的な存在であり、誰一人として神聖な力から見捨てられたり、切り離されることはありません。
星は自分が輝けるかどうか心配せず、花も自分が綺麗に咲けるかどうか心配しないように、私達もまた、自分の能力を疑うのをやめ、「私ならできる」「必ず乗り越えられる」と、神聖な力が宿る自分をどんな時も信じきることができたなら、きっと誰もが人生を輝かせることができます。
今日も最後まで希望発見ブログをお読み頂き、ありがとうございました。
Your spiritual friend,Lani
参考文献等:永遠の大道(潮文社)、渦巻紋と輪廻転生(雄山閣)、ヨーロッパの形(八坂書房)、ザ・シフト(ダイヤモンド社)、サイキック能力に目覚める瞑想CDブック(ダイヤモンド社)、あなたが生きにくいのはチャクラに原因があった(徳間書店)、ベールの彼方の生活(潮文社)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、Hayhouse radio