希望発見ブログは、今年で6年目に入ります。何年も続けてこられたのは、記事を読んで下さっている読者の皆様一人一人のおかげです。
私は心の奥深いところには、絶えず沸き上がるマグマのような熱い情熱があります。それはまた、不滅の法灯のように何があっても粛々と輝き続ける灯火にもなっています。その灯火は霊的知識が成分となっていて、地上人生だけでなく、死後の人生をも必ず明るく照らしてくれます。
霊的知識の灯火が燃え盛る松明を、一人でも多くの方にお渡しし、その方の心にぬくもりと安らぎ、希望をお届けすることが、当ブログの最大の目的です。松明を受け取って下さる全ての方に、心から感謝しています。今年も、よろしくお願いいたします。
つらい過去との決別*許すという生き方
人生で、最も大切な人間関係は一体誰との関係なのか?この問いの答えは、全ての人に共通しています。それは自分自身です。自分とはこの地上人生だけでなく、死をこえた先の人生でも永遠に付き合っていくわけですから、自分をよく知り、その上でその全てを受け入れ、日々大切にしていくことは、私たち一人一人に課せられた大事な使命です。
自分を愛し、自分という存在を認めている人は、他人を批判することや周囲の人に悪意で接するようなことに、人生の貴重な時間をさいたりしません。心は愛で満たされているので、おのずとその言動からは愛のみが出てきます。
しかし、自分を卑下したり嫌う人は、周囲の人や世の中に批判的になったり、悲観的で生きづらさを感じます。中にはその原因が、親から虐待を受けたり、愛されるという経験がないまま成人したり、いじめを受けたりと、子供時代の出来事に大きく起因することもあります。
私は小学生の頃の数年間、ある習いごとの先で複数の大人から、頻繁に暴力を受けていました。大人たちは子供に暴力のみならず、凄まじい大声で罵倒したり、容姿をことごとく馬鹿にしたり、性的な侮辱行為までしたりと、その指導方法は卑劣を極めていました。
いつしか私の心には子供ながらに、自分が欠陥品の人間のような消し難い強い感情が常につきまとい、鏡で自分の顔を見るのも嫌でした。自分のあらゆる能力に不信感と劣等感を持ち続け、人の怒りを常に恐れ、今思えば極端なほど心配性な子供時代を過ごしました。
大人になり、霊的知識を探求する中で、ジョン ホランド、ウエイン ダイアー、ルイーズ ヘイなど、霊的知識を土台とした生き方を伝えている人の存在を知りました。
その内容は愛にあふれ、人生に対する根本的な考え方を愛で満たすことで、人生そのものを明るい方向へといざなうものでした。この三名にはある共通点があり、私は当初とても驚きました。三名とも、非常に過酷な子供時代を過ごしていたのです。
ジョン ホランド氏は、当ブログでご紹介したこともある霊能者ですが、父親がアルコール中毒で、子供の頃から極度の緊張と不安の中で育ちました。
ウエイン ダイアー氏(1940〜2015)も、父親がアルコール中毒で、ダイアー氏が2歳の時、突然家を出ていき、以後二度と戻ってくることはありませんでした。一家はバラバラになり、ダイアー氏は孤児院で育ちました。
ルイーズ ヘイ氏(1926〜2017)は貧困の家庭で育ち、子供の頃、性的虐待にあうなど、その環境は悲惨そのものでした。
三名がつらい過去に引きずられず明るい今を生きていられる理由、それは、自分を傷つけた人を完全に「許す」ことでした。決して簡単なことではありませんが、霊的な学びは常に難しいからこそ、実践する価値があります。
人は自分に身体的、精神的、感情的な痛みをもたらした人を許すところを想像すらできません。その傷が深い場合はなおさらです。しかし、その人を許すことを意識的に決心して、苦しみを手放すことから癒しのプロセスが始まります。許してこそ、自分を大切に思えるようになり、愛を引き寄せられるようになります。
ジョン ホランド
霊的な学びで最も大切なものは、許しの概念です。恨みや怒りや憎しみは、あなたを衰弱させるエネルギーです。あなたにひどい仕打ちをした人に愛を送ってみて下さい。そうすれば、どんなに平和な気分になるかがわかります。
ウエイン ダイアー
自分を癒す時に一番大切なことは、自分の全て、つまり自分の中のあらゆる部分をそのまま受け入れてあげることです。人生を恥ずかしさと共に振り返るのはやめましょう。満ち足りた豊かな人生だったと過去を見てあげましょう。自分を無条件で受け入れ愛することで、私たちは回復し、癒されていきます。
ルイーズ ヘイ
死後の世界でも鍵を握る許す行為
ルイーズ ヘイ氏は60歳の時に出版社を立ち上げ、ついでHayhouse Radioというラジオ局まで作りました。パーソナリティには、霊能者のジョン ホランドやジェームズ ヴァン プラグ、ライフコーチのウエイン ダイアー、デニス リン、産婦人科医のクリスチャン ノースラップ、心理学者のバーバラ アンジェリス、瞑想コーチのデイヴィット Gなど実に多彩で、各パーソナリティが世界中から電話を受け付け相談に乗ります。
その様子が公開されるわけですが、それはリスナー全員にとっても貴重な学びの機会となります。私は希望発見ブログを始める前、何年もの間、いろんな方の番組を通して、多くの人の悩みとその回答に耳を傾けてきました。中には同情を禁じ得ない深刻な悩みも少なくなく、涙を拭きながらその人のために祈ったこともあります。
霊能者の場合は、交霊の様子を公開していて、その中で、印象に残っているものがあります。ある依頼人の女性が、霊能者のジェームズ ヴァン プラグ氏に交霊を求めました。プラグ氏は女性の父親の霊が来ていることを最初に伝えました。
次に父親の性格や容姿の特徴を伝え、依頼人である娘との思い出話など、親子の二人しか知りえない情報をいくつも父親の霊から聞き出し、女性に伝えました。これが優れた霊能者の特徴で、もし皆さんが霊能者と自称する人に出会う機会があったら、自分から天国にいる方の情報を積極的に伝えてはいけません。そういうことは、霊能者が霊から聞き出して伝えるべきことだからです。
女性が父親の霊が本当にいるのだと確信したところで、プラグ氏は静かな口調で言いました。「お父さんは・・・銃で殺害されたんですね?」女性は「はい」とつぶやくように言い、父親が死後、元気にしているのか訪ねました。
プラグ氏は、お父さんは天国でとても安全なところにいて、霊体ではケガや病気をすることもないので、元気にしていると伝えました。
そして、こうつけ加えました。「お父さんは、天国で自分の命を奪った人に会ったそうです。その人はとても反省していて、心から謝罪してきたために、お父さんは完全に許したんだとおっしゃっています。」
加害者がすでに他界していたことを女性は知っていたようでしたが、戸惑いを隠せず「どうしてあの男と父が、天国で会うようなことがあるんですか!暴力的な人間は死後、波長の低い世界に導かれるのではないんですか?」と怒ったように言いました。
女性にとって、愛する父親の人生を奪った加害者は、いくら憎んでも憎み足りないような存在で、あろうことか被害者である父親が加害者をすでに許していたことに、到底納得していませんでした。
しかしこの女性は、死後、人は地上人生でつちかった精神性に適合した界層に導かれることを知っていて、明らかに霊的知識を学んでいる方でした。
低い界層から高い界層へはいけませんが、高い界層から低い界層へはいつでもいけるので、謝罪を受けるために、父親が加害者が暮らす低い界層へ赴いたと考えられます。
プラグ氏は、時間が限られていることもあり詳しい説明はせず「憎しみを向けるのではなく、許すことで、お父さんはさらに上の界層に進めるんですよ。」と伝えました。女性は、父親がそれで天国でさらに幸せな境涯に進めるならと、その言葉を受け入れ、交霊はここで終了しました。
憎しみではなく、愛を送られることで人は成長する
暴力によってこの世を去った人が、加害者に対して憎しみの念を地上の家族に伝える様子を聞いたことは、私は一度もありません。犯罪捜査に長年協力し、アメリカのテレビドラマ「ミディアム」のモデルにもなった霊能者のアリソン デュボアは、その理由を「他界した被害者の気持ちは加害者ではなく、常に愛する人の日常生活の幸せに向けられるためです」と語っています。
死の直後は加害者を恨み、復讐しようと試みることはありますが、次第に霊的に覚醒していき、霊的知識を身に着けていくと、復讐は必要ないと理解します。
その根幹となるのが、霊的法則の存在です。人は皆、霊的法則の元で生きていて、自分が生み出した行為の結果が、自動的にその後の人生に必ず返ってくるというものです。人生とは、死後の人生や来世も含みます。
霊的法則の鍵となるのは行為に対する動機で、利己的な動機で誰かの命を奪うことは、非常に重たい霊的責任を加害者は負うことになります。人の命や身体は極めて神聖なもので、命を奪うことだけでなく、性暴力を含めて誰かの身体を意図的に傷つける行為は、神への反逆ともいえる最大の霊的犯罪です。
霊的法則は人の死後、第三者が裁いて決められるのではなく、善意にしても悪意にしても、その行為に対して自動的に結果が生じます。
たとえば、普段から周囲の人に善意で接している人は死後、自動的に多くの霊的報酬を受け取るわけです。環境も周囲の人も活動範囲も、全てにおいて至福の境涯が待ち受けています。
先程ご紹介した交霊の様子で、依頼者の女性が父親の行為に戸惑ったように、地上世界に蔓延している考え方と、霊的真実は異なる場合があります。地上社会には、残虐な行為で誰かの命を奪った人は、死刑にしてその人の命を奪ってしまえという「目には目を」の風潮がありますが、それでは新たに殺人を犯しているだけで、霊的には何一つ解決しません。
霊の世界の住人も、社会に憎しみを抱えている人間の命を、国が奪ってその魂を霊の世界に解き放つことは、地上世界に新たな憎悪犯罪を増やすことにつながり、大変危険なことだと理解しています。
霊の世界では、自分が深く傷つけた人から憎しみではなく、許しという愛を向けられた時こそ、加害者の心に真の悔恨と罪悪感が生まれ、そうした感情がどんどん膨らみ、まさに地獄の炎のように燃えさかります。
被害者から向けられた愛の光によって、己の内に秘めていた暗闇が全て明らかになり、どれほど地上人生で強がっていた人も、どれだけ威張っていた人も、良心の呵責によって延々ともだえ苦しむことになります。
先ほどの父親は、加害者を苦しませるために許したわけではなりませんが、愛を示すことによって、加害者は自分の行為をしっかり見つめ直し、真の更生にむけて歩み始めます。
加害者の立場に立てば、天国へ旅立ってからではなく、地上で生きているうちに真摯に反省したほうが、この苦しみは少なくなります。霊的責任に対する情状酌量の余地はありませんが、死後の世界でも懸命に援助してくれる人が必ずいます。真摯に反省することこそ、霊的成長の大きな一歩だからです。
援助といえば、世の中には人生で大きな過ちを犯した人が人生をやり直すために、尽力されている個人・組織が存在しますが、霊的にも大変偉大な行為なのです。
なお、信仰により「罪は帳消しになる」とする宗教もありますが、それは事実無根です。そんな都合の良い神は、霊の世界のどこを探しても存在しません。霊的法則、または死後の世界の行先に対して、宗教は全く無力です。自分を根本的に救えるのはあくまでも自分だけであり、今後はできるだけ愛と善意に生きることを固く決心することがまず大きなスタートです。
憎しみではなく愛によって加害者の心に潜む善性が開花するという霊的真実は、地上世界に暮らす多くの人にとって受け入れがたいことかもしれませんが、これはとても大切な霊的知識です。
もとより、暴力だけでなく、迷惑行為、誹謗中傷、あらゆるハラスメント行為など、誰しも未来の自分自身を心底苦しませるようなことは最初からしなければよく、霊的知識がもっと社会に浸透し、より平穏な世界になればと、願わずにはいられません。
癒しの始まり*子ども時代の自分を癒す瞑想
子供時代の経験は、人格形成やその後の人生全体に大きな影響を及ぼすことがあります。それが自尊心を徹底的に破壊されるようなネガティブな体験の場合、自分という人間の意見や決断が信じられず、幸せさえ望もうとせず、常に不安と緊張に心を支配されているような日常につながりかねません。
後年、私は霊的知識や加害者を許すという生き方を学んだことは、思い出したくもない過去と完全に決別するきっかけの一つとなりましたが、他にとても役に立ったのが瞑想です。
瞑想そのものに霊的な意識レベルをあげ、様々な執着心を手放す効能があるのですが、今回ご紹介するのは、子供時代に負った心の傷を癒す「インナーチャイルドの癒し」に特化した方法です。
やり方はごく簡単で、通常の瞑想のように、目を閉じて全身をリラックス(全身の力を完全に抜くよう意識)させて、呼吸(鼻から大きく息をすって口からゆっくり吐く)を繰り返します。心身共に落ち着いてきたら、傷ついた子供時代の自分をはっきり思いうかべます。そしてその子を優しく抱きしめ、もう大丈夫だよ、怖がらなくていいよ、愛してるよと心の中で優しい言葉を何度もかけてあげます。
何も抵抗できなかったあの頃の自分を責めたりは、絶対にしません。とにかく、不安と恐怖でおびえていた自分を丁寧になだめてあげます。今のあなたなら、その子をなだめ、安心させ、守ってあげることができます。その子は、他でもないあなたの中に生き続ける大事な一部です。
どんな過去であっても、その全てを乗り越えてきた自分を無条件で愛すことができたなら、心の傷は少しずつ癒されていきます。
私はこの瞑想を始めた時、涙がとめどなくあふれてきました。何年もの間、ずっと放置して何事もなかったようにふるまい、誰にも話さなかったようなことが、私を人生のあらゆる場面で苦しめていました。その傷を直視し、愛を送ったことで、私の心を癒す旅が始まりました。次回の記事でも、旅の続きのお話を致します。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました。
Your spiritual friend, Lani
参考文献:シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、スピリチュアルパワーに目覚める10の秘密(PHP)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新社)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、あの世から届く愛のメッセージ(徳間書店)、ワイス博士のストレス・ヒーリング(PHP)