いったい自分とは何だろう?人生は何のためにあるんだろう?様々な試練がきっかけで魂が霊的に覚醒し始めると、それまで考えもしなかった疑問が脳裏をかすめます。
私達は皆人間である以前に天国を故郷とする霊的な存在であり、魂の鍛錬と自我の開発のためにこの世に生を受けました。地球は霊界の一部で義務教育を施す学校のような場所です。
今回の記事では天国の生活と地上生活の相違点(①~⑩)をあげ、人生を霊的視点から見つめていきます。
- ①霊体の特徴
- ②飲食の習慣
- ③昼夜の有無
- ④時間と睡眠
- ⑤コミュニケーション方法
- ⑥移動方法と距離
- ⑦経済活動の有無
- ⑧人間関係と霊的親和力
- ⑨娯楽と生活
- ⑩天国の霊的法則
- 思念の力*できるだけ明るい未来を思い描く
①霊体の特徴
天国で使用する霊体は死後新たに得るものではなく、この世に誕生する前から使用し、地上生活を送る間もシルバーコードと呼ばれるひものようなもので肉体とつながっています。死の瞬間、シルバーコードが切れ(痛みはない)霊体のみで天国へ向かいます。
いつか役目を終える肉体と異なり霊体には死がなく、病気や老化、障害とも一切無縁で天国ではずっと完全健康体です。霊体は年齢ではなく霊的成長度に比例して崇高さを増し、強烈な光輝を発します。また自分の思念によって好きな年齢の容姿に変えることができるため、高齢で他界した人は通常若々しい姿になります。
②飲食の習慣
霊体は栄養補給の必要がないため天国では飲食の習慣がありません。水さえ不要です。他界直後はそれまでの地上人生の習慣の名残りで、何か食べたい・飲みたいと思うこともあります。その場合は飲食もし臓器もそっくりそのまま残っています。しかし次第に必要ないことを悟ると一切飲食を欲しなくなり臓器も完全に消えていきます。
③昼夜の有無
天国は地球の自転による影響を受けないため夜がありません。他界後全く霊的知識がない場合(昼夜があると思い込んでいる場合)は、しばらく昼夜を感じられる界層へ導かれることもありますが、一部の低い界層以外はずっと明るく美しい光に照らされています。
生活環境の全てが光だけの天国と違い、地上人生は昼夜に象徴されるように晴天と雨天、健康と病気、幸福と苦難など比較対象の中で営まれます。冬の寒さがあるからこそ春の温かさに喜びを感じるように、地上人生でいくつもの陰を体験することで光のありがたさが心底理解できるようになっています。
④時間と睡眠
昼夜のない天国では時間そのものが存在しません。時間の経過を計る概念はなく、自身の霊的成長度を計る概念が主な基準になります。また天国では霊体で生活するため、眠る必要がありません。
食事や睡眠は肉体を持つ地上生活にかぎった習慣です。ここにも霊的な意味があります。暴飲暴食、偏食、タバコ、運動不足、睡眠不足など健康を軽視したり無理を重ねると健康を害します。どんな時も自分を大切にすることを私達は学び実践する必要があるのです。
⑤コミュニケーション方法
天国ではコミュニケーション方法が思念で行われます。つまり心に思ったことが相手に伝わり、相手の思ったことが自分にも伝わります。しかし他界後しばらくは地上人生の名残りで言語を使用することもあります。電話やラジオ、新聞のようなものはなく、大勢への情報の伝達も全て思念で行われます。
同じメカニズムで、一生を終え天国へ行った方は地上にいる最愛の人からの祈り(想い)を受け取れるわけです。心に念じるだけでも声に出しても届きます。その際は祈りの対象とする方が生前最も元気だった頃の姿をはっきりと思い描いて下さい。写真を目の前に用意することをお勧めします。
⑥移動方法と距離
遠くに移動する際も思念を使用します。そのため公共の交通機関はありません。行き先をイメージしたり会いたい人の姿をはっきりイメージすることによって、瞬時に移動できます。地上の物理法則は適用されません。
尚、天国には一人一人の魂の霊的成長度に適合した無数の界層(境涯)があり、自分が暮らす界層よりも下の界層にはいつでも行けますが、上の界層にはその界層にふさわしい霊的成長を得るまでは行けず無理やり入ることもできません。
⑦経済活動の有無
天国では欲しいものは全て思念でつくりだせます。そのため経済活動を行う必要がなく貧富の差はありません。あるのは霊的成長度の差だけです。周囲の人にどう接し、どんな動機で何をしたかが大切で、これらは全て霊体に記録・反映されます。天国でも衣類を身に着けますが副次的なもので、天国では全ての人が霊眼を持っているため霊体に反映された本性を偽ったりごまかすことはできません。
尚、地上人生での財産や社会的地位、名声は、霊的成長度とは全く関係がなく一旦霊界に身を置くと地上社会に浸透している成功の基準は幻にすぎなくなります。この世限りの幻に執着しすぎて、死後も天国の生活に馴染めず地上を徘徊する人もいますので、物的な価値と霊的な価値のバランスを大切にしたいですね。
⑧人間関係と霊的親和力
天国では自分とほぼ同じような霊的成長度の人が同じ界層に暮らします。魂と魂の間には霊的親和力が働き、お互いに類似性・共通性を持った人同士が近づきます。気を使って誰かと一緒にいる必要はありません。
一般的に心優しく地上人生を生涯を送った人は、どれほど言葉を尽くしても説明できないほど美しい界層に死後導かれます。五感を超えた色や香り、音階があり、人々に調和と幸福感をもたらす自然美に恵まれたところです。周囲には同じように心優しい人ばかりです。
地上では多様な霊的レベルの人が一緒に家族や社会をつくり生活してます。天国ではありえないことです。だからこそ家庭内を含めて多くの問題が発生します。様々な問題に向き合うことで、私達は霊的に成長します。
⑨娯楽と生活
「もし誰にも邪魔されず、時間とお金の心配が全くない世界でやりたいことを何でもできるとしたら何をしますか?」
最初に思い浮かんだことを天国では何でもできます。例えば絵画や音楽、読書が好きな人は地上と霊界の作品を全て鑑賞することができます。アートの源泉は全て霊界にあるため、高い界層に行くほど驚異的な芸術の世界があります。旅好きの人は旅をし、特定の分野を研究したい人は研究に没頭できます。
誰かのために自分を役立たせたいという情熱がある人は、他界後霊的知識がなく困っている人や他界してきた子供やペット、自分より下の界層にいる人、または地上にいる人などに援助の手を差し伸べます。天国は一人一人が見返りなど一切期待せず持ちうる限りの愛を発揮し、助け合う世界です。そうした生き方を私達も心掛けたいですね。
⑩天国の霊的法則
天国にも法律のような霊的自然法則があります。それは自分の行為が生み出した結果が必ず(自動的に)自分に返ってくるというもので、地上の法律と異なり改定・改正の必要がなく太古の昔から未来永劫続く不変の法則です。
愛に基づく行為は即自分の霊的成長として反映され、悪意のある行為は即霊的後退となります。そうした霊的規律の中で生活しているため、天国では自分勝手な行動は皆慎みます。
霊的法則は地上にいる私達一人一人にも適応されています。霊界側から地上の横暴な人、意地悪な人、犯罪行為をしている人を見ると「知らないとはいえ、やめておけばいいのに」と思うわけです。そういう人は他でもない自分が未来の自分に重い荷物をたくさん背負わせているようなものです。反対に自然に親切な行為ができる人は、未来の自分に多くの幸福を与えていることと同じです。
思念の力*できるだけ明るい未来を思い描く
私達はあらゆる不安のない世界から、地球という困難の多い学校へやってきました。地上人生でしか学べない教訓があり、一人一人に異なる人生の目的や使命、計画があります。尚、自分で自分の命を断つことは誰一人地上人生の計画の中に含まれていません。
霊的存在である私達一人一人には、どんな試練も乗り越えられる強さが内在しています。この世に生まれてくる前はそのことを十分理解していました。何一つ、地上人生で恐れることはないのだと。
また、一生を終えた人が心から感謝するのは人生で起こったつらい出来事です。「あの絶望的な経験があったからこそ、私は霊的に覚醒し大きく成長できた。今までになかった視点から人生を理解できるようになった」と地上人生の大きな目標を達成したことを喜びます。長い目で見れば、挫折や失敗があってこそ人生は満ち足りたものになります。
霊的進化のメカニズムは、低く沈んだ人ほど高く進化できるようになっています。絶望的に感じる試練は実は希望の始まりであり、霊的進化・成長こそ、一生を終えた人が最も欲する宝です。
今回あげた10撰で全体的にキーワードとなっているのが思念の力です。天国は思念の世界といってもいいほど、一人一人の思念には何でも実体化できる強力なパワーがあります。地上に生きる私達もその潜在能力を持ち続けています。
そのため私達が日常的に考えていることは、人生に大変大きな影響を与えます。心配や取り越し苦労、悲観的な思考は、たちまち本来持っている力を著しく弱め霊界側からの援助をはねのけ、祈りや願望の実現を妨げてしまいます。どうせ思念の力を使うなら、限界を設けずできるだけ最高の未来を思い描きたいですね。
おしまいに、アメリカの著名なライフコーチ、ルイーズ ヘイさん(1926-2017)の言葉をお伝えします。
あなたは「人生うまくいかない」「自分は恵まれていない」と愚痴をこぼしたり、人をうらやむこともできます。逆に楽しい出来事を思い描いて時間を過ごすこともできます。自分自身を愛し、楽しいことや幸せなことを思い浮かべるのが、素晴らしい人生への一番の近道なのです。
今こそ自分の中の癒しの力を発見しましょう。その力はとても力強く、パワフルです。あなたはとてつもない力に恵まれているのです。癒しとは自分をそのまま受け入れることです。好きな部分だけでなく、全てをありのまま受け入れてあげることです。
今日も最後まで希望発見ブログをお読み頂き、ありがとうございました。
Your spiritual friend,Lani
◎ルイーズ ヘイさんの著書
参考文献:天国との会話(光文社)、もういちど会えたら(光文社)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新社)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、こころが満たされる本(大和書房)、こころがやすらぐ本(大和書房)