今回の記事では、交霊会の様子を交えつつ、天国では人々がそれぞれの情熱に生き、情熱によってお互いを支え合っている霊的世界のメカニズムをお伝えします。
- 天国でも大好きなことを*ギターを愛する少年
- 天国は情熱に生きる場所*夢のような天国の最高の環境
- 鍵は情熱*「やりたいことをやる」から「誰かのために役に立ちたい」という想いへ
- みんなは一人のために、一人はみんなのために*霊団の存在
天国でも大好きなことを*ギターを愛する少年
アメリカ人霊能者、ジョン ホランド氏の交霊会に、ある夫婦(妻リンダ、夫ヴィクター)が訪れました。ジョンはすぐに彼らの息子、ブルース君の霊がそばにいることを感じました。
霊能者は交霊の際、よく霊のエネルギーを感じる力(クレアセンティエンス)を使います。男性的なエネルギー、女性的なエネルギー、子供のエネルギー、他界して間もない人のエネルギーなど、様々なエネルギーを感じ取ります。
霊能者によって霊との接触の仕方は様々ですが、ジョン ホランド氏の場合は、優れた霊視力(クレアボイヤンス)をあわせ持ち、相談者の肩の上に、小さな映画のスクリーンのようなものが見え、そこに天国から訪れた霊がシンボルやイメージを思念によって投影し、それを彼が読み取ります。
ジョンが優しい口調で夫婦に「息子さんとのお別れは、あっという間の悲劇だったようですね」と語りかけると、リンダは顔を覆って泣き出し、さよならも言えなかったと声を震わせました。ジョンは続けます。「息子さんはどのように亡くなったかは教えてくれません。そのような形で自分を記憶して欲しくないそうです」
この言葉はとても大きな意味があり、天国へ旅立った方は口をそろえて、元気だった頃の自分を思い出して欲しいと切に願います。なぜなら今この瞬間も、とても元気にしているからです。
ジョンはさらにブルース君から情報を受け取り、「彼はとても陽気な青年で、10代後半か20代初めように感じますが、正しいですか」と尋ねると、リンダは頷きました。優秀な霊能者は冒頭に、必ず本人の霊が来ている証拠となることを聞き出し、相談者に伝えます。
「息子さんはとてもクリエイティブな方だったんですね。しきりに音楽演奏のことを話したがっています」
ジョンがそう言い終わるや否や、リンダは「イエス!」と甲高い声をあげました。ジョンは「あなたは最近息子さんのことを想ってタトゥーをいれたとブルース君が言っています」と言い添えると、父のヴィクターは笑みを浮かべ、リンダは息子が入れていたタトゥーと同じものを入れたことを認めました。ブルース君はそんな母親にジョンを通じて言います。「頼むからもうそれ以上タトゥーはいれないでね、ママ」
ジョンはそのタトゥーを見せようとするリンダを制し、ブルース君に頼まれるまま、ギターを弾く真似を夫婦の前でしました。するとリンダは再度声をあげ、ブルース君は生前音楽に情熱を傾けていたことや、彼の棺にギターを一緒に入れたことを伝えました。ジョンはブルース君が天国でも大好きなギターを演奏していることをはっきり感じ取りました。
最後に、ブルース君は両親にメッセージを伝えます。「パパ、ママ、愛してるよ。これからもずっとだよ」
天国は情熱に生きる場所*夢のような天国の最高の環境
ブルース君のように、人は天国で情熱に従ってやりたいことをどれだけでもできます。地上人生で様々な理由で断念せざるを得なかった夢を追うこともでき、何か学びたいことがある場合は、いかなる専門分野でも学ぶことができます。得られる知識量は地上の比ではありません。
天国で人々が好きなことをとことんできるのは、天国特有の環境にあります。第一に天国で使う霊体は栄養補給の必要がなく、睡眠も不要で病気や怪我とは無縁になり、健康を損なうことがありません。また、思念で何でも作り出せるので、経済活動がなく、お金の心配もいりません。
さらに、時間そのものが存在しないため、時間に追われたり縛られることがありません。人々は心置きなくとても活発に活動しています。
天国は霊的な観点から見れば、人生の延長ではなく、本番であり、地球はあくまでも学校で準備期間です。
ですからこの世の人生で何か情熱が芽生えたら、その情熱に従うことはとても価値あることです。年齢に関係なく、何かに挑戦するのに、遅すぎるということはありません。死の直後から地上で築いた個性を保ったまま、新たな人生が始まるからです。
鍵は情熱*「やりたいことをやる」から「誰かのために役に立ちたい」という想いへ
多くの人は他界後、自分が本当にやりたいことをやって、心に内在する欲望を消化していきます。すると霊性が向上していき、今度は誰かのために役に立ちたいという情熱が芽生えます。この情熱は、深いレベルで愛を表現する行為へとつながります。
例えば、地上人生で子供がどうしても欲しくてもできなかった方が、一定の条件をクリアした後、地上から他界してきた子供達の世話をすることはよくあります。両親の元を離れて天国で暮らす子供達に愛情を注ぐことに使命感を持ち、よく地上の両親の元へ連れていってあげたり、地上人生で体験できなかったことを教えます。
同様に、生前動物を心から愛していた方や、動物が大好きなのに世話をする機会に恵まれなかった方が、動物だけが集まる「動物界」で、他界してきたペットの世話を飼い主に代わってすることがあります。
天国で寂しがらないよう、よく地上の飼い主の元に連れていきます。人間同様、動物は他界しても個性は一切変わらず、愛してくれた人間への恩も忘れません。いつか飼い主が他界すると、真っ先に迎えに行き、飼い主と同じ場所で一緒に暮らします。
このように天国では援助を必要とする人や動物が世界中から日々やってきて、それでも秩序を保っているのは、崇高な情熱によって援助を惜しまない人達がいるからです。中には死後の世界について全く無知で天国にいることすら気づかない人や、自ら命を絶ち中々天国へたどり着けない人に、全身全霊で援助の手を差し伸べる人達もいます。
また、交通事故や災害、病気、事件などで突然死を迎え、戸惑ったり何が起こったか全く理解できない人達を専門的に支援する人もいます。
情熱は地上の人々にも向けられ、人は自分と同じような情熱を持つ地上の人を助けたいと思うようになります。魂と魂は霊的親和性によってつながり合い、例えば、動物に愛情を注いできた獣医師は、他界後、愛情あふれる地上の獣医師のために様々なインスピレーションを送るなどして援助し、同様に音楽家は音楽家を助け、アスリートはアスリートを助けます。
地球は天国と別の場所ではなく、界層の一部として天国と融合しているため、地上で幸せな人が増えれば、天国の人にも好影響を与えます。逆に地上に横暴・陰鬱な気が広がれば、天国の人にも多大な悪影響を及ぼします。それゆえ、天国の人にとっても地上で人生を送る私達の幸せは、とても大切なのです。
みんなは一人のために、一人はみんなのために*霊団の存在
天国で誰かを支援する活動は個人でもできますが、よく霊団(霊的グループ)といって、複数の人が集まって組織的に行うことがあります。霊団への参加は決して強制ではありません。
ここで一つ理解しておきたいことは、天国ではその人の霊的成長度に適合した界層で暮らすということです。界層は無数にあり、自分より上のレベルの界層には勝手に行けませんが、下の界層には行けます。実際、自分のエネルギーレベルを下げて、下の界層の人を助けに行く人がいます。
便宜上、他界後、あなたが下から数えて三つ目の第三界にたどり着いたとしましょう。しばらくして心を病んだまま天国に来た人を助けたいという情熱が芽生えたとします。
天国では自分と同じ志を持つ人達が霊的親和性によって引き寄せられ、簡単に自分に相応しい霊団を見つけることができます。その中には自分より上の第四界や第五界に普段暮らす人がいる場合があります。霊団は数十人規模、数百人規模の場合があり、自分の界層以下でできることをします。
また、自分より下の第一界の人も霊団にいるかもしれません。地上人生で暴力的に生きるなど、霊的にまだ未熟な人達が改心し、誰かのために役立ちたいと真摯に願う場合、償いと学びのために、霊団に参加することがあります。尚、天国では思念でお互いにコミュニケーションを取り、何を考えているのか全て可視化されるので、嘘やごまかしは即見抜かれます。
一つの霊団には、さらに高い霊的レベルの霊団が見守って助言を送り、その霊団もさらに霊的レベルの高い霊団に見守られるなど、完璧な組織体制が構築されています。
霊団の活動は、常に愛によって行われます。地上と違い間違ってもパワハラのようなことは一切ありませんので、ご安心下さい。そこで情熱を共にする人同士が、全身全霊で誰かのために自分を役立てることで、自分自身も霊的に成長し、さらに上の界層へ上がっていきます。霊的成長は、天国では全ての人が求めることです。
私達は皆、気づかずとも、天国の住人の情熱の影響・恩恵を受けています。しかし、心配の念や取り越し苦労は、せっかくの霊的援助の力を、自らはねのけてしまいます。
前述したように、この世はあくまでも学校です。いかなる失敗も、そこから学ぶ意志さえあれば、霊的成長につながります。思い出しましょう。私達は皆霊的な存在であり、地上で起こるどんな問題も、乗り越えられる力を持っています。
いつまでもくよくよせず、もっと楽しく、もっと気楽に過ごすことを心がければ、霊的なポジティブな力と同調し、霊的親和力によってあなたの情熱に共鳴した霊団が引き寄せられ、ずっとずっとあなたを守り、最善の人生へと導いてくれます。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your spiritual friend,Lani
参考文献等:パワー オブ ザ ソウル(JMAアソシエイツ)、Hayhouse Radio、インペレーターの霊訓(潮文社)、シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、My Life in Two Worlds(Osborn Leonard)