なみ風のありもあらずも何かせん 一葉(ひとは)のふねの浮世なりけり
(これから漕ぎ出でる世の中にどんな波風が起きようと何ということはない。これが私という木の葉の渡って行かねばならない浮世というものなのだから)
樋口 一葉(1872-1896)
- カルマ、それは全ての人の人生に適用される霊的自然法則
- 天国についてのQ&A①*自分との約束~カルマ
- 天国についてのQ&A②*虐待とカルマの関係
- 天国についてのQ&A③*カルマの基準「動機」
- 天国についてのQ&A④*運命共同体の人達「グループカルマ」
- 天国についてのQ&A⑤*祈りとカルマ、宗教とカルマ
- 天国についてのQ&A⑥*カルマの清算と地上生活の卒業
カルマ、それは全ての人の人生に適用される霊的自然法則
天国という場所を、薄ぼんやりとしたイメージをお持ちの方も多いと思いますが、人々の体や建物も含めて全てにはっきりとした実体があり、多くの人が死の境界線をまたいだ後たどり着く場所は、地球の環境ととてもよく似ていて、生活の場があります。
大きな違いの一つに、天国はこの世からの他界者で構成されているにもかかわらず、人々の行動を規制するための法律がありません。警察や法律をつくる国会も存在しません。なぜなら、そこには法律ではなく霊的叡智に満ちた永久不変の自然法則が存在するためです。
天国では善意の行為がすぐに「報酬」となって自らの霊的成長となり実感できます。反対に、悪意の行為はすぐにその行為に対する「清算」をしなければならなくなります。皆がこの法則の中で生きているため、天国では霊的に未発達の人達が暮らす下層域を除いて、勝手なことをする人は一人もいません。
この自然法則は緊張や恐怖をもたらすものではなく、人々の意識の中で自然な霊的規律となり、完全に平等・公平で愛に満ちた社会の基盤となっています。
私達が暮らす地球もまた霊的世界の一部であり、同じ自然法則が適用されています。この自然法則は古くから因果律とかカルマと呼ばれ、私達の一つ一つの行動に対する同質の結果が、よくも悪くも自動的に自分の人生に返ってくる法則として知られてきました。カルマは地上の法律と違って一切抜け目がなく、ごまかすこともできず、見過ごされることがありません。しかし天国と違うところは、地球は物質的な世界のため、一つ一つの行為に対する結果が、すぐに人生に現れないということです。
カルマは決して罰ではなく、愛に基づいた行為を促進し、学びのため、そして人生のバランスをとり霊的に成長するためにあります。
今回のQ&Aは、全ての人の人生に深い関係のある霊的自然法則「カルマ」についてお伝えします。
天国についてのQ&A①*自分との約束~カルマ
Q1:カルマは前世から現世へ持ち越される?
A1:多くの人が、前世(過去世)から引き継いだ解消すべきカルマを抱え、その環境と条件に最もふさわしい国、両親、家族を選んで生まれてきます。魂が母胎に宿ると、体の周りにエネルギーフィールド(オーラ)が形成されるのですが、その中(エーテル体)にカルマの情報が刻まれています。
どんなカルマを解消するのか、私達はこの世に誕生する前に霊的レベルで合意しています。そこにはこの世を旅立つ時期や方法まで含まれますが、自殺は一切カルマに含まれていません。自殺する運命にある人は一人もおらず、自分で自分で命を絶つと、神聖な命を絶ってしまった新たなカルマが発生することになります。
カルマは解消するものと現在の行為によってつくりだすもの両方あります。自分の行為次第でいくらでもポジティブな性質を帯びます。
天国についてのQ&A②*虐待とカルマの関係
Q2:子供が両親の虐待にあうのはカルマ?
A2:暴力を受けることによってカルマを解消することはありません。よって前世等で、何か悪いことをしたから虐待されたり暴力の被害者になるわけではありません。暴力は加害者の一方的な自由意志による結果です。
暴力によって誰かを傷つけた場合、その行動に対する霊的な責任を100パーセント負うことになります。それがこの世の一生の間に償えるのか、また死後天国で償うのか、来世まで持ち越すかは誰もわかりません。
悪意ある行為には必ず清算すべきカルマが発生します。地上の法律で裁かれたとか裁かれなかったとかは関係ありません。詐欺や万引きに至るまで、その行為は個々のオーラに記録され、一切ごまかしようがありません。それさえ心にとどめておけば、わざわざ未来の自分に苦労させるような厄介な行為はしないはずです。
天国についてのQ&A③*カルマの基準「動機」
Q3:加害者の暴力から自分の身を守るために、とっさに暴力という手段を選んでしまった。加害者と同じような負のカルマが発生する?
A 3:カルマの定義で、最大の基準となるのがその行為に対する「動機」です。身勝手な動機ほど、責任が重くなります。
私達は皆神聖な霊的存在で、自分の体を暴力から守るという動機は正当であり、決して自分勝手ではありません。
ただし、勘違いしがちなのは教育とか指導という目的で子供や誰かを傷つけるのは、全く正当ではありません。それは加害者側の勝手な言い訳で、自分の内部の怒りや恐怖、不安を一方的に人にぶつけているだけです。相手が動物でも同じことです。
私達は誰かに愛や思いやりを「与えること」や「共有すること」によって霊的に成長していきます。どんな小さな親切な行為にもカルマは必ずポジティブに働きます。
天国についてのQ&A④*運命共同体の人達「グループカルマ」
Q3:複数の人が一緒にカルマを解消する「グループカルマ」とは?
A3:複数の人が前世などで同じ過ちをしてしまったり、同程度のカルマの解消が必要な場合、同じ時代に生まれてきて、カルマの解消を一緒にする場合があります。それをグループカルマと言います。
家族として生まれてきたり、中には同じグループや組織に属して誰かのために役立つことをしたり、またある特定の手段(事故・災害など)でこの世を共に旅立つことによって、カルマを解消する場合があります。
人はこの世を旅立つと、なぜ事故にあったのか、なぜ災害にあったのか、なぜ重い病気で長期間痛みを感じる必要があったのか、自分の死の意味を知ります。そして気づきます。「死は罰でも災いでもない。地上で考えていたことと全く違う側面があった。カルマを解消した今、真の意味で自由になったんだ」と。これは生命の神秘の奥深い部分に関わることで、中には複数のカルマが複雑に絡み合っていることもあり、地上にいる私達がこのケースはカルマ、これは違う、という判断はできませんが、悲劇的な死の背後にはそういう側面もあります。
天国についてのQ&A⑤*祈りとカルマ、宗教とカルマ
Q4:神様やご先祖様にカルマを帳消しにしてほしいと真摯に祈れば、叶えてくれる?特定の宗教を信仰していれば罪が許される?
A4:天国の人が徹底順守している自然法則には、たとえ愛する人を助ける目的でも、その人のカルマには絶対に手出ししてはならないというルールがあります。
愛する人が地上でカルマによってつらい思いをしている時に、もし手助けしてしまうと、霊的成長とカルマの清算を邪魔してしまうことになるからです。ですから愛するがゆえにただ見守ることしかできないこともあります。そういう理由で天国にいる人にどれだけ祈っても、カルマだけは帳消しにはなりません。
では神様は?カルマは言い換えれば「神の自然法則」です。全ての人に平等に適用されるからこそ、霊的成長が公平に育まれます。カルマそのものは消せませんが、霊的な成長を純粋に祈る時、その願いが聞き届けられないということはありません。
尚、特定の宗教に入ってもカルマは帳消しにはなりません。それが軽くなることもありません。宗教的な教義を守る、守らないも、カルマとは一切関係がありません。教義は地上の人間によって定められたものです。「私達の神様を信じれば、あなたの罪は許される」とする宗教もありますが、神とは誰かに罰を与えたり自分のことを慕ってくる人だけ優遇するような人間的な存在ではありません。男性的な存在でもありません。私達の理性を超えた至高の完全叡智を持つ愛のエネルギーです。
死後、全ての人が人生を振り返る機会を持ちますが、カルマをどれだけ解消し人生のバランスをとることができたのか、人生の目標をどれだけ達成できたのか、自分で自分の人生を採点します。他の誰一人としてあなたを裁く人はいません。罰を与える人もいません。
全宇宙で罰を与える人がいるとしたら、自分だけです。その反対に報酬も与えるのも自分です。だからこそ何を信じるかより、どう生きるかが大事なのです。私達は皆、大まかな運命が決まっていますが、自由意志が備わっています。自分の意思を行動にどう反映させるのか、そこに責任がかかってきます。
天国についてのQ&A⑥*カルマの清算と地上生活の卒業
Q5:前世までのカルマを全て解消したら、もう地球に生まれてくることはない?
A5:地球は霊的存在である私達の幼稚園や小学校のような学びの場所です。ある人は、まだ霊的進化の初期段階を進み始めたばかりで、言動に暴力的な部分や利己的な部分が多くしめています。
学ぶべきことを学ばなかった場合、カルマを次の人生(来世)に持ち越すこともあります。この学校は制限なく何度でも学びのチャンスは与えられます。
また中には地球という学校を卒業間近の大変心優しく人生をポジティブに考える人もいます。過去生も含めて、様々な苦労を乗り越えながら、もう地球で学ぶべきことを十分に学んだ方達です。
魂に刻まれたカルマを全て解消した場合、つまりある一定の霊的成長を遂げると、もう地球に生まれてくることはなくなり、霊的成長を天国でのみ続けていくことになります。
ただし中には高い霊的進化を遂げても、誰か特定の個人を助けたり、特別な分野で社会貢献したり、自然や動物を守り人々に啓蒙するためなど、特別な使命を帯びて地球に戻ってくる方もいます。
人生の素晴らしいところは、世の中が一見不公平や理不尽なことが多く見えても、自然法則によって本当は完璧にバランスがとられていることです。一人一人の人生には、必然的に経験しなけらばならないことがあり、果たすべき宿命があり、守るべき自分との約束があります。
自分を愛すこと、周囲の人に常に善意を持って接すること、許しがたい誰かを許すこと、小さなことに感謝すること、自分に限界を設けないこと、心配症を克服し楽観的に生きることなど、日常生活の中で愛を実践してこそ、自分との約束を守ることができます。
いつの日か、社会の隅々まで霊的自然法則・カルマの知識が浸透し、暴力やいじめ、不正、迷惑行為、誹謗中傷がなくなり、より安全で安心して暮らせる社会になることを切に願って、この辺りで手を止めます。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました。
Your spiritual friend,Lani