あなたが唯一無二の存在であることを忘れないで下さい。人生の困難や問題がどれだけ深刻に思えても、一人の人間が世界に変化を起こせるということを忘れないで下さい。実のところ、この世界で起こる重要な変化は全て一人の人間から始まるのです。どうか、その一人になって下さい。
バックミンスター フラー(1895-1983)
世界の師*異なる考えには自分から寄り添うこと
師は弟子の準備が整った時に現れる、といいます。振り返ると、私の人生にもまた、多くの師がいました。最初に私の視野を大きく広げてくれたのは、まだ19歳の頃、アメリカの大学に留学した時に出会った人達です。
アフリカ、中東、南米、ヨーロッパ、アジア、まさに世界中の人々と机を並べていろんな話ができ、貴重な経験となりました。
私は全ての宗教から一切離れた立場から霊的なことをお伝えしていますが、当時敬虔なイスラム教徒やキリスト教徒の方も多くいて、彼らは自らの信条や生活習慣など何でも教えてくれ、私は興味深く耳を傾けました。日本では考えられないほど宗教が生活に密着していて、その内容は驚きの連続です。
世界では争いが絶えませんが、クラスでは宗教や国籍、肌の色など全く関係なく皆仲良しです。テレビが伝える情報だけで世界を見るのではなく、何でも自分の目で直接見て体験することが大切なんだ、と実感しました。異なる信条や考えの人に会ったら、遠ざけるのではなく、自ら歩み寄ることの大切さも学びました。
アメリカで4年ほど過ごしましたが、とても大らかな気風があり、私にはとても居心地の良い場所でした。
親切な人も多く、真夏にマウンテンバイクのタイヤがパンクして路肩で途方に暮れていると、通りすがりの人が炎天下の中必死に応急処置をしてくれたりと、見返りを一切求めない親切な行為に何度感動したことでしょう。私に大切な学びを与えてくれた多くの師に、今も深く感謝しています。
歴史の師*強い志を持とう
日本に帰国すると、何か日本社会に疎外感を覚える自分がいました。「もっと日本のことを知りたい」「日本人の良いところは何だろう」そんな強い衝動を覚えました。そこで出会ったのが歴史小説でした。特に作家・司馬遼太郎さんの小説や紀行本「街道をゆく」をむさぼるように読みました。
読書をしていて、本が持つ不思議な力に気づきました。読むことで筆者とつながり、登場人物の人生とつながり、自分の中の深い部分とつながることができるのです。次第に史跡を訪れたくなり、北海道から沖縄まで各地に足を運びました。
「旅は人生を教えてくれる」という言葉が、司馬さんの著書「竜馬がゆく」にありますが、史跡探訪や旅の中の出会いは、貴重な学びとなりました。
また、同著に「歴史こそ教養の基礎だ。歴史は人間の知恵と無知の集積である」という言葉もあります。実際、歴史の中には尊敬すべき師がいたり、心を戒めてくれるような反面教師的な師がたくさんいます。
「竜馬がゆく」を読んだ人の多くは、幕末の志士・坂本龍馬に尊敬の念を覚えることでしょう。
「事を成するのは、人間の弁舌や才智ではない。人間の魅力なのだ」
「人間、好きな道によって世界を切り開いてゆく」
「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある」
気の弱い性格を自ら叱咤し、劣等感を吹き飛ばしながら、知恵と勇気を振り絞り命の炎を燃やし続ける姿は、希望に満ちています。自分を変えることで世界を変えるという生き方は、貴重な教えです。
歴史には、名が残らない人が圧倒的に多いのも事実です。今日という一日は、多くの先人の血と汗と涙、悲しみや喜びといった激情の積み重ねの上にあり、歴史そのものが偉大な師とも言えます。
歴史は、生きる価値のない人などいないし、幸せに値しない人もいないことを教えてくれます。つらい時は助けを求めることの大切さや、お互いに助け合うことの尊さも教えてくれます。そして、誰しも困難を生き抜く強さを内に秘めているということも。
霊的世界の師*一人のために全力を尽くす
「たった一つの魂を高揚してあげることができたら、喪に沈む一つの魂に慰めを与えることができたら、意気地のない一つの魂に生きる勇気を与えてあげることができたら、人生に疲れきった一つの魂に生きる力を与えてあげることができたら、それだけであなたが生まれてきた意味があります」
シルバーバーチ
歴史を通して、多くの人々の生と死を見つめるうちに、今度は人の魂そのものを探求したくなりました。人は死んだらどうなるのだろう、人生にはどんな意味があるのかと。やると決めたら徹底的に調べ始めました。
そんなある日、人生最初で最大の霊的な体験します。朝、寝起きに大きな声で「シルバーバーチ」という言葉がはっきり聞こえました。初めて耳にした言葉でした。
早速シルバーバーチについて調べてみると、イギリスでおよそ60年に渡り、霊媒モーリス バーバネル氏を通じて霊的知識を伝え続けた古代霊ということがわかりました。その言葉が「シルバーバーチの霊訓」として書籍化されていることを知り、すぐに全12巻を精読しました。シルバーバーチの霊訓は私の多くの疑問に応えてくれるものであり、今も私の霊的知識の土台となっています。
師に関連する霊的知識といえば、スピリチュアルガイドの存在があります。日本語でよく守護霊と呼ばれます。生涯をずっと見守る霊が全ての人にいて、その人の人生の目的や先々に起こることまで熟知しています。
どんな時も私達人間側の意思が尊重されるので、あくまでも可能な限り見守り、直感を与えたりして導いてくれるのですが、守護的な役割をする霊の影響はとても大きく、誰でも助けられたり、導かれている経験があるはずです。
私自身、留学し世界中の人々から学び、歴史の世界で人の命について真剣に考え、その後霊的な世界へ導かれ、こうして霊的知識を伝えるブログをしているのも、決して自分だけの力ではありません。
霊的世界の師、スピリチュアルガイドに心を開くと、より一層絆が深くなります。一日にほんの数分でも体をリラックスさせて深呼吸して穏やかな心を保つと、彼らがあなたのために、手を差し伸べやすくなります。本当の意味で孤独な人は誰一人いません。彼らは"弟子”にとても深い愛を持っていて、決して見放すことがないからです。
愛しの師*人生はワクワクすることを大切に
「私達はどこに行かなければならないかを、行くことによって知る」
セオドア ローザック(1933-2011)
10年ほど前に、とても愛らしい師が私の人生に現れました。息子です。魂の世界を探求していた私は、最大限の敬意をもって彼を迎えました。いったい彼はこの世に何を学び、何を体験しに来たのだろう。それを知っているのは、息子だけです。
だから彼が夢中になること、情熱を感じることをつぶさに観察しています。スポーツが大好きな一方、自然や動物が大好きで、よく本を読んだり物語を書いています。私はそんな姿を見てとても嬉しく思います。歌を歌ったり絵を描くこともそうですが、創造的な活動こそ、子供の直感力を育み心を豊かにするからです。
息子に限らず、子供達はいつもワクワクすることに夢中になり、自分の深い部分とつながっています。それが幸せの道なのだと本能的にわかっています。人からどう思われるとか失敗したらどうしようとか、そういう心配とは無縁で、挑戦あるのみ!の喜びの世界に生きていて、大人にとっても学ぶことは決して少なくありません。
私は息子を励ますことを大切にしてきました。私は子供の頃、強い劣等感に苛まれ、何かに挑戦する前から「失敗するに決まっている」と委縮していたからです。自分の能力を疑い、敗者の目で自分を見るくせは克服するのがとても大変なので、息子には常に「できる、やれる!」という強い意思を持って、自分の可能性を信じて欲しいと伝えてきました。人間の意思の力は遺伝をも超えることを私は学んでいました。
実際に、彼は勉強も運動も目覚ましい結果を出します。彼は何でも自信を持って挑戦し、日々自分の能力を使うことを楽しんでいて、その姿に教えられる毎日です。
師の存在の本当の意味
「なれたかもしれないことになるのに、遅すぎることはない」
ジョージ エリオット (1819-1880)
師は探さなくても、自分の準備が整った時に人生に様々な形で現れます。それは身近な人間関係の中だけでなく、本や映画の中にいるかもしれません。
もしあなたに心から尊敬する人や魅了される人がいるのなら、あなたにはその人と同じ資質があることを意味します。同じ波長だからこそ、魅了され尊敬の念を抱きます。
あなたはその人と同じようなことだけでなく、それ以上のことができる可能性を秘めている、と師の存在は教えてくれます。「自分ならできる、やれる」と信じ続ければ。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your spiritual friend, Lani