愛する人が亡くなると、もっとああすればよかった、こう言えばよかったと、とめどない悔恨の情が繰り返し襲ってきます。悔恨は喪失体験の一部であり、悔やんでいるのはあなただけではありません。
エリザベス キューブラー ロス
死の向こう側*不安のない世界で生きている
前回の記事で心霊治療家の名前を何名かあげた中に、モーリス テスターという人がいます。彼は重度の椎間板ヘルニアにより数年間激痛に苛まれ歩行さえ困難でしたが、心霊治療家・エドワード フリッカーの治療により瞬く間に完治し、その後自らも心霊治療家に転身した経歴の持ち主です。
モーリス テスターには心から尊敬する父親がいて、「父は40年以上前から、堅苦しい掟や儀式、迷信など、全ての宗教的教義をかなぐり捨てていた。生活は実に質素で心は優しくて思いやりがあり、他人の弱点に対して寛大だった」とその崇高な人間性や生活ぶりを述べていて、明らかに霊性の高い人物であることがわかります。
霊的な成功の基準は、地上世界に蔓延する物質第一主義の成功の基準とは明確に一線を画しています。霊性の高い人ほど、人生を幸せに生きるにはそれほど多くの物も高価な物も必要ないことを悟り、物的財産や特定の地位に執着せず贅沢は望まないものです。何よりも、心の優しさはそのまま霊性の高さを表します。死後の世界へ一歩足を踏み入れると、心優しい人ほど尊敬される一方、地上人生での名声や肩書き、物的財産の量は誰も一切興味を示さず何の意味も持ちません。他界後も携えていける優しさ、思いやり、愛といった霊的資質こそ、人間の本当の財産なのです。
霊的には大富豪とも言える87歳になるモーリス テスターの父親は、ある日体調を崩し間もなく地上世界を卒業する時がやってきました。彼も自分の身に死が間近に迫っていることをはっきり自覚していて、「いい人生だった。思い残すことは何もない。人様に迷惑をかけたくないから葬儀はやめて直葬にしてほしい。みんなには、自分の死を悲しんでほしくない・・」と最後の言葉を家族に伝えました。
「自分の死を悲しんで欲しくない」という言葉は、交霊会や霊的体験談等で、他界した人が地上の愛する人へ最も多く伝える言葉の一つです。そこには理由があり、他界後に使用する霊体はいついかなる時も完全健康体のため、どのような形で他界したとしても、皆元気いっぱいになります。さらに貧富の差も犯罪も煩わしい人間関係もない安穏な社会で生活をすることになるため、他界した人にとって死は地上の人が思うほど悲劇ではないのだと言います。
また、霊体は言語でなく思念でコミュニケーションをとるので、地上にいる家族や友人が考えていることが手にとるようにわかります。霊の世界では思念に実体があり、愛する人が自分のことを思うと、色彩のついたロウソクの火のようなものが、弾丸のように飛んできます。
幸せを願う明るい思念の光を受け取れば、心は極上の安らぎに包まれますが、自分の死を嘆き悲しむ思念を度々受けとることは、つらくて仕方がありません。それだけに「自分は元気だからどうか悲しまないで。もう泣かないで。」と何とか伝えようと行動にうつします。
地上世界に何度も戻り、悲しみに暮れる愛する人のすぐそばに行き、大声で自分が元気でいることを繰り返し訴えますが、当然ながら何の反応もなく肩を落として天国へ戻る人が大勢います。これを、他界後数十年繰り返す人もいます。
簡単にはあきめきれず、天国から自身の健在を知らせるため、様々な手段でサインを送ってきます。部屋の灯りを点滅させるなど電気系統を使ってみたり、偶然の一致・シンクロニシティを演出したり、動物や蝶を使用して存在を知らせようとすることもあります。また、自分と関連のある香り(香水やタバコなど)を漂わせることもあります。
その中で、最も成功する確率が高い手段が、睡眠中の夢です。地上に暮らす人間は睡眠中に意識が霊体にうつり霊界で活動しているからです。夢で見たものが全て霊的なものとは限りませんが、最愛の人が夢に出てきて元気そうにしていたり、朝目覚めた時温かい気持ちに包まれていたら、それは単に夢ではなく揺るぎない現実です。 
永遠の奇跡*悲しみの深さは愛の大きさ
私たち人間が、様々な霊的体験をすることがあるのは、私たちの本質が霊的存在だからです。これは、人生の意味や死後の世界のメカニズムを理解する上で、極めて重要な知識です。霊的存在である私たちは、霊的成長のために義務教育の場として物質世界である地球に人間的体験をしにきているのです。人間的体験を数年必要とする人もいれば、100年必要とする人もいます。いずれにしても私たちは単なる物質的な人間ではなく神性を帯びた霊的存在であるからこそ、霊的体験をすることもあり、さらには死後も消滅せずに個性を維持したまま生き続けることになります。
アメリカ南東部に暮らすディーという女性は、先天的な心臓疾患を患っていた1歳の息子ジョーイを亡くし艱難の日々を送っていた中、睡眠中の夢にジョーイが現れました。
ジョーイは病院のベッドで過ごしてた頃の生前の姿とはうって変わり、満面の笑みを浮かべ元気はつらつと成長していて、その姿は安らぎに満ちていました。
ジョーイは「ママ、僕は今最高に素敵なところにいるんだよ。もう心臓の病気もないし手術もしなくていいし、薬も飲まなくていいんだよ。僕は幸せだから、もう泣いたり心配したりしないでね。」と明るい声音で話しました。
長い間、闘病生活を支えてきた人にとって、他界した人の元気な姿を思い浮かべることは容易ではありません。それでも、ジョーイのように病気に苦しんでいた子供も、他界後は完全に癒され元気にしているという霊的真実を夢で確認出来たら、大きな心の癒しとなります。その元気な姿こそ、今現在、今この瞬間の姿なのです。
なお、天国へ旅立った子供は地上の年月の経過とは関係なく、霊的成長(精神的成長+霊的知識の習得)によって容姿が徐々に大人へと成長していきます。また死後の世界には、各自の霊性に適合した無数の界層(生活の場)があり、子供は地上世界のどんな場所よりも安全な界層で、大変愛情深い人たちによって支えられ、見守られています。子供に限らず一般的に心優しい人たちが暮らす界層には、精神に残虐性や横暴性のある霊性の低い人は、絶対に侵入できないようになっています。地上世界のように、皆が同じ平面上に混在して暮らす世界ではありません。
他の霊的体験談に耳を傾けてみましょう。アラバマ州に暮らすヘレンは、湾岸警備隊だった27歳の息子アダムをヘリコプターの墜落事故で亡くしました。さらにその五か月後、20歳だった姪のジェシカを自動車事故で亡くしました。
度重なる喪失体験によって悲嘆にくれる日々を送っていたヘレンの夢に、アダムとジェシカが手をつないで現れました。二人とも元気そのもので穏和な表情を浮かべ、身体がほのかに輝きを放っていました。霊体は光輝を放つ特性があり、霊性の高い人ほど光度が強くなります。
アダムは「お母さんのこと愛しているよ。僕は元気で幸せにやってる。それに、いつかまたお母さんと一緒に暮らせるんだよ。だからお願い、もう悲しまないで。僕を自由にしてほしい。天国に行かせてほしいんだ」と訴えるように言いました。
ジェシカも続きました。「ヘレンおばさん、うちのお母さんに私のことで泣かないでって伝えて下さい。私はこっちで幸せだし、あの時が私が旅立つべき時だったんです。」
アダムの「僕を自由にしてほしい」という言葉にあるように、母の深い悲しみがアダムの心にも波及し、本来幸福感で満たされるはずの天国での生活に暗い影を落としていることがわかります。
致し方ない部分もありますが、アダムの心は母親の深い悲しみによって地上世界に引きずり戻されるような形になり、霊の世界での進化向上の歩みを止めねばならず、それがもどかしいのです。
悲しむことは決して悪いことではなく、反対に悲しい時には我慢せずに思いっきり涙を流し感情を吐き出すことのほうが大切です。我慢を重ねると、いつまでも悲しみは癒えません。人間は悲しみによって心身がひどく疲弊することもありますが、同時にどれほど深い悲しみも克服する強さが内在していることも事実です。深い悲しみは、その分大きな愛を分かち合う人に出会えた人生の奇跡を意味します。奇跡によって育まれた愛は過去のものでも一時的なものではなく、今もこれからも、永遠に続きます。

天国のリハビリ施設*人は死後も懸命に支え合う
メリーランド州でデザイナーをしているアンは21歳の時、三つ年下の弟バリーを交通事故で亡くしました。それから1か月後、アンの睡眠中の夢にバリーが現れました。バリーは幸せそうで満ち足りた表情を浮かべていました。とても現実的な夢で、バリーは「ここは何もかもが最高だよ」と言いました。アンは怪訝そうに「どういうこと?死んだ時は苦しかったんじゃないの?」と尋ねると「ほんのわずかの間、押しつぶされる感じがしたけど、そのあと急にすごくきれいな白い光の中に出たんだ。僕はもう元気だから、姉さんも元気でいてほしい」
交通事故や自然災害など、急な衝撃で死に至ると肉体と霊体をつなぐ生命のひも・シルバーコードが瞬間的に断絶します。その際、人は意識を瞬時に肉体から離脱させ霊体に移行する形になり、バリーのように死の瞬間は「全く苦しまなかった」「痛みは感じなかった」「気づいたらこちらの世界にきていた」という人が多くいます。
ただ本来、人は急激な強い衝撃によって死を迎えるべきではなく、大きな精神的ショックもあります。そのため、突発的な死を迎えた人は霊の世界で順応できるよう精神を入念にケアしながら霊的知識を学ぶため、地上の病院に相当するリハビリセンターのようなところに導かれます。
ジョージア州に暮らすボーリーンという女性は、夫のアートがある日突然、殺人によって人生を絶たれました。夫の死から数か月後、ボーリーンの夢にアートが現れました。アートはとても元気そうで、ボーリーンの手をとって共に歩き、普段暮らしている家を見せてくれました。しかし、突然命を奪われたため、精神的な治療をして立ち直るためのリハビリ施設に通っていることを教えてくれました。
殺人など暴力によって多大な恐怖心を伴う死を迎えた場合も、他界後霊体そのものは完全に健康体ですが、精神を癒して霊体が霊的な波長に合うよう調整が必要になります。最も慎重な調整を伴うのは、自ら命を絶った場合です。
アメリカ南東部に暮らすフィーは、16歳の息子クリスを心臓病で亡くしました。悲嘆のどん底の中、今度は夫が息子のあとを追って自ら命を絶ちました。夫が他界してしばらくした頃、フィーの夢にクリスがとても元気な姿で現れました。クリスの霊体から金色の光が見えました。非常に霊性の高い魂だという証拠です。
クリスは口を開くと「僕はもう完治したよ。お母さんにそれが言いたかったんだ。お母さんのこと愛してるよ。僕のことはもう心配しないでね」と笑顔で伝えました。さらに父親のことにも触れました。「お父さんは元気だけど・・・、解決すべき問題があるんだ」とだけ言って、夢は終わりました。
先に他界した人は、最愛の人があとを追って自ら死を選ぶことを決して歓迎しません。人間は自分や他者の生命を与奪すれば、その行為に対する霊的責任を取らねばならず(動機が考慮される)余計に問題を抱えることになり、時に愛する人との再会さえ危ぶまれたり、共に暮らす機会が遮られることもあるためです。
私たち人間にはそれぞれ、この世の誕生前に予め決められた地上世界との契約年数があります。にもかかわらず自ら命を絶つと、その契約年数が経過するまで通常天国へ入ることができず凄まじい後悔の想念体に包まれ、救助の霊団がくるか地上からの祈りの愛の念が霊的覚醒を促すまで、身動きがとれずつらい思いをします。(地上から祈りを通じて愛を送ることが、大きな癒しと援助につながる)
その後、前述したリハビリ施設で多くのサポートを得ながら心を癒すプロセスを経て、生命の神聖さや自己愛のレッスン等を受けます。そして霊的法則により、もう一度地上世界で人生をやり直す必要があります。その時は嫌々生まれ変わるのではなく、今度こそ、と自ら進んで次の機会を待ち受けます。
このように霊の世界には、世界中から様々な形で他界した人が次々とやってきます。ひどい混乱状態だったり、死という現実を理解できない人、宗教的教義の束縛から抜け出せない人も多く、あらゆ状況に対応するため他界した人を支援する施設がたくさんあり、霊的グループ(霊団)を組んで組織的に救助活動に勤しむ人もいます。天国はお金の流通がなく、何か報酬をもらえるわけではありません。
それでも天国は助け合いを最優先する世界で、困っている人のために純粋な人類愛から救助活動に尽力してる人が無数にいるのです。どれほど心傷ついた人も、落胆した人も、愛によって癒され、愛によって力強く新たな一歩を踏みだします。
地上世界に暮らす私たちに基本的な霊的知識さえあれば、ある日突然いかなる形で死を迎えたとしても、霊の世界での順応がとても容易で迅速になるだけなく、困難も多い支援活動に従事する人の負担の大幅な軽減につながります。

思いよ届け*あなたの笑顔こそ私の幸せ
家族に「自分の死を悲しまないでほしい」と言葉をのこしたモーリス テスターの父親は、死の二時間前に昏睡状態に陥りました。ベッドで横たわる父の表情から徐々に生命力が失われていく一方、霊視力のあるモーリスの目には、父親の霊体と肉体をつなぐ生命のひも・シルバーコードが延び、霊体が肉体から離れて天井辺りに浮かび、元気そうな父親が上から見下ろしているのがわかりました。そしてついにシルバーコードが切断され死の瞬間がやってくると、父の霊体はさらに上昇しながら消え、天国へ旅立ちました。
死は、旅立つ人にとって物質世界と肉体からの解放です。死後使用する霊体は重力の影響を受けずとても軽やかで、感覚機能も行動範囲も飛躍的に増えることになり、それはあたかも鳥かごから放たれた鳥のように壮大な自由を手に入れることを意味します。
モーリス テスターはこの後しばらくして、交霊会で度々父親から直接メッセージをもらい、天国から常に最善の人生へと導き見守っていることを伝えられました。彼はその時、生前と全く変わらぬ父親の優しく穏和な言動に安堵しつつ、「私は父を見習って生きていきたい。いつかこの世を去って父と再会した時、父が誇りを持って私を迎えることができるように」と語っています。
1986年10月、モーリス テスターは人生最大の恩人である心霊治療家のエドワード フリッカーが他界すると、師のあとを追うようにその翌日、天寿を全うしました。患者からは一切料金を取らず、治療所までのタクシー代まで全額負担して多くの人に無償の愛を届け続けた彼は、他界後霊体で目覚めた瞬間、最愛の父が最大限の誇りを持って笑顔で出迎えてくれたことでしょう。
最愛の人との別れを経験した時、霊的にはあくまでも一時的なもので心は常につながっていますが、地上世界で一緒に暮らしていた時のように、簡単にコミュニケーションをとれないところがもどかしいところです。しかし、地上世界から思念の世界である天国へメッセージを届けることは、誰でも簡単にできます。思いを伝えるのに遅すぎることはありません。
身体をリラックスさせて目を閉じ、必ず深呼吸を繰り返します。鼻から息を吸って口からゆっくりと吐き出す。これを気持ちが落ち着くまで繰り返しながら、他界した人が笑顔で元気にしている姿をイメージします。そして思いを心で伝えるか、もしくは言葉にして伝えます。目の前に他界した人の写真を置くのもとても良い方法です。
言葉がうまくまとまらない時は、手紙を書いて写真のところに置いてみて下さい。一言一句全て伝わります。「自分のために手紙を書いてくれた」ということまでわかります。
また地上にいる私たちが、霊の世界へ意識を向け精神を落ち着かせる時間を持てば持つほど、天国との霊的回路が強固になり、夢を覚えていられるようになるなど霊的な体験をしやすくなります。目を閉じて深呼吸を繰り返し気持ちを落ち着かせていると、ふと優しさと温かさが心を包み込み、とめどなく涙があふれることもあります。それは、あなたの幸せを願っている人から、愛の思念が届き心に癒しの力が流れているのです。
その人は、家族や友人以外の霊的な家族関係(アフィニティ)にある人の場合もあれば、血縁、国籍、人種を超えた崇高な人類愛の精神で活動する天国の住人の場合もあります。霊の世界を知れば、孤独に生きている人も、見放されたり一人取り残される人もいません。
人は天国へ旅立っても、愛する人の笑顔こそ、本当の幸せであり最高の幸せです。あなたが悲しみを乗り越えほほ笑むことができたなら、その時あなたを愛する人の心にも、美しい幸せの灯火が輝き始めます。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、インぺレーターの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新書)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、これが死後の世界だ(潮文社)、霊力を呼ぶ本(潮文社)、生きがいのメッセージ(徳間書店)、永遠の別れ(日本教文者)