ゴールしたことが、奇跡なのではない。走り始める勇気を持ったこと、それが奇跡なのだ。 ジョン ビンガム
死という運命に怯えない*本当に怖いもの
人間が死を迎えることは自然の摂理であり、怯える必要は全くない。そんな思いを込めて、様々な霊的体験談や交霊の様子を交えながら霊的知識をお伝えしています。
人が死後も生き続けられるのは、私たちは人間である前に、神性(神の永遠かつ無限の資質)を帯びた霊的存在だからです。霊的な体験をすることもある人間ではなく、一時的に地球に人間的体験をしにきている霊的存在なのです。
このことは多くの人にとって、死後知ることになる驚異的な事実です。地上人生こそ全てだと思っていた人にとって、これから始まる天国での人生のほうが本番であり、今まではその準備期間だったことに、人生観そのものを激変させる衝撃を各々の精神に与えます。
霊的視点で、今のうちに地上人生を見つめてみましょう。あなたの肉眼に映じる地上世界は、あなたが一時的に暮らす仮の住まいです。永遠の住処ではありません。鏡にうつるあなたの姿は、あなたが一時的に意識を顕現させるために使用する仮の身体です。あなたの一部であり、全てではありません。
あなたのお金や自宅、その他諸々の物質的な所有物は、地上世界のみで使用する一時的な借り物に相当します。永遠の財産ではありません。同様に、社会的な地位・立場は、地球は霊的な義務教育の場ですので、霊的な視点でみれば小中学校のクラスで割り当てられる係や委員のような役割です。
軽視してもいいという意味ではなく、どんな役割を担うことになっても真心から人のためを思って行動すること、そう心掛けることに最大の価値があり、世間の賞賛を求めたり、その立場に執着したり、名誉・名声を追い求めるのは滑稽なことでもあります。
真に永遠の価値を持つ霊的財産は、霊的属性である愛だけです。人は死の瞬間までに心に育んだ愛の量が、その人の唯一の真の財産となります。
この理解と実践が、死後の世界を含めたあなたの未来を決します。しかし世の中には、霊的財産など全く無視するかの如く、誰かが困っていようが傷つこうが全く気にせず、とにかく自分の利欲だけを追求する人がいます。犯罪的な過ちをおかしてしまう人だけでなく、非常に利己的で強欲な人が、政治やビジネスの世界にも少なからずいることは、誰もが知っています。
彼らは物質的にはとても裕福な生活をしているかもしれませんが、霊的には完全に破産状態で、死後導かれる低い界層で、自分が霊の世界で無一文であることに愕然とし、凄まじい悔恨の念に苛まれる時がきます。
彼らはしばらくの間、なぜ自分ほどの人間が、辺り一面が常に薄暗く強烈な悪臭漂う環境に生きねばならないのか、またなぜ荒廃した小屋のような建物の中で暮らさねばならないのか、理解できません。そこは、自分の心の全てが反映された環境なのです。
誰かにもっと手を差し伸べるチャンスはいくらでもあったのに、思いやりの心の欠如によって、霊的財産がないためだと学び、自らの行為を真摯に反省するまでそこに暮らし続けます。
これが暴力、とりわけ性暴力・性犯罪のように、被害者にとてつもない恐怖と屈辱を与えるようなことをした人は、霊的法則によりさらに恐怖を伴う漆黒の闇が広がる界層に、死後導かれます。残極な行為をした代償は、100パーセント必ず自分に返ってくるということです。
真摯な反省と謝罪、改心は、地上世界に生きているうちにするべきで、地上社会の法律から逃れられたとしても、霊的法則からは決して逃げられず、霊的法則に時効や執行猶予、情状酌量もありません。
人間が恐れるべきものは、死ではありません。利己主義や強欲こそ、人間の精神を腐敗させ、多くの悲劇を生み出し、死後の世界でも当人に壮絶な苦悶を強いる最大の敵なのです。

幻を求めず、実在を求めて
「この宇宙には森羅万象の全てを支配し、完全公平で正確無比の神の法測が存在する」と確信し、物理法則を超える霊的法則の存在に、深い畏敬の念を抱いていた世界的物理学者がいました。オリバー ロッジです。
彼は最愛の息子を亡くしたことがきっかけで、それまで一笑に付していた死後の世界に関心を持ち、半世紀以上に渡りいくつもの霊能力および霊現象の科学実験・証明を行い、20冊以上の著作を通じて霊的知識の普及に努めた人です。
ロッジは法廷の場に重要証人として出席した際、ある人から「霊の世界というのは、一種の幻影ですね」と言葉をかけられました。その時すでに確かな霊的知識を携えていた彼は、こう返しました。「この世こそ、幻影の世界なのです。実在の世界は、目に見えないところにのみ存在します」
前述した霊的に破産状態にある人は、強欲のあまり物的財産という仮の財産、つまり幻影を追い求めすぎてしまった人たちです。物的財産に最大の価値を置いて他人を見下したり、特定の社会的地位にいることで見栄をはるような精神性を持つ人も要注意です。人生への視点を霊的なほうへ少し変えてみるだけで、精神が霊的な波長に感応するようになり、死後の世界でもすぐに順応できるようになります。
詩人の茨木のり子さんは、著名な詩「さくら」の最後に「死こそ常態、生は愛しき蜃気楼」と綴りました。詩のような創造作品は、ほとんどが霊的インスピレーションを受けた人が形にしたもので、茨木さんはかなり高度なインスピレーションの受け手なのでしょう。
死こそ常態とあるように、霊的存在である私たちが、人間として物質的な身体を身にまとってこの世に生きていること自体が、驚異的で奇跡的なことです。それだけに、様々な苦難を伴う地上世界に生きている意味を知り、最大限の価値を生む生き方をしたいところです。
先の見えぬ蜃気楼のような人生の中で、人間の精神は、愛のように永続性のある霊的なものと、利己主義や強欲のような物的なものとが、せめぎ合います。生涯のうち、霊的なものが勝ればあなたは霊的に成長し、一生を終えた後、深い幸福感や安らぎ、美、自由といった多くの霊的報酬を受け取ります。
どれほど医学が発展して、人間の寿命が延びようと、死後にどんな世界にいくのか、また地上人生と死後の世界がどう関わりがあるのかを知らなければ、死に対する恐怖を感じたり、中には幻影を追い求める期間が延びる人もいます。長く生きることは、様々な経験を積めるという意味で素晴らしいことですが、それ自体はこの世に生を受けた目的ではありません。「死ぬことが怖いから、長く生きよう」では本末転倒で、今この世に存在している生命活動の目的から大きくかけ離れています。
私たちは、霊的(精神的)に成長するために生まれてきました。そして、霊的成長のためには、日常生活の中で愛に基づく言動が何よりも大事で、チャンスは全ての人に毎日平等にやってきます。
善行を施すのに、有利・不利な立場というものはありません。年齢も性別も社会的な立場も関係ありません。あなたは自分の言動にだけ霊的責任をもちます。人生は最後の瞬間まで、永遠の宝を得る大きなチャンスに満ちているのです。死後の世界、来世を含めたあなたの運命は、全てあなたの手の中にあります。

生きてこそ*絶望は幸せのスタート地点
先にお伝えしたように、地上人生での経験は、死後待ち受ける壮大な霊的世界での生活に備えるためのものです。そのため、様々な教訓が人生の至るところに散りばめられています。
楽しさや喜びの中だけではなく、苦しみや悲しみの中にも、あとになって幸福につながるような教訓があり、経験した暗闇が深ければ深いほど、そこから学べる教訓も得られる霊的成長も大きなものになります。
一つ私の例をあげると、以前別の記事で少し触れましたが、20代の頃パニック障害を患ったことが転機となり、心と身体の関係を学び、瞑想を始め、霊的知識に出会いました。元々ひどい心配性で根っからの悲観主義者であり、日々死んでしまいたいと思い悩んでいた私は、毎日何度も襲ってくる心臓の痛みと呼吸困難の発作に苦しんだ時期がありました。しかし検査の結果、痛みや発作が全て精神的なものが起因していると知り、私は真剣に自分自身の心を癒す術を学び始めました。
当時は、豪雨の中をただ恐怖に震えて、一人ぼっちで立ちすくんでいるような絶望的な日々でしたが、後で振り返ってみれば、私を震えさせた雨は、魂の革命をもたらしてくれた恵みの雨だったのです。あの経験のおかげで、私は自分の心身を真剣にいたわるようになり、心や身体が弱っている人に対し思いやり深くなり、悲観主義から脱却し随分と生きやすくなりました。
たとえば昨年は、家族のことを含め様々な試練が一気に押し寄せ、これまでの人生でも最もつらい時期でしたが、冷静に対処できるようになりました。
20代の頃の私なら、我が運命をひたすら呪い、世を嘆き、極度の不安と緊張に苛まれながら、毎日をただあてもなく悲観の海を漂っていたことでしょう。でももう、過去の自分とは違います。
人生は、自分が背負えない荷物は背負わされないこと、いかなる試練も必ず乗り越えられることに絶対的な確信を持っています。それは適当なポジティブ思考ではなく、霊的知識を土台とした自分と人生への確固たる信頼です。
一日の時間は、全ての人に等しく24時間あります。その間、心配したり最悪なことばかり考えていれば、心も身体も疲弊し傷だらけになってしまいます。ネガティブ思考が未来を明るく彩ることは決してありません。
しかし同じ時間をできるだけポジティブな思考で満たせば、心と身体の健康は守られ、現状がどうあっても最高の結果が生み出されます。人間の思念には、それほどの絶大な力があるからです。
オリバー ロッジの言葉をかりれば、この世は幻影です。どんな悩みも、自分が思っているほど深刻ではありません。もっと気楽に、肩の力を抜いて、笑うことを忘れずに生きていけばいい。「人生は絶望するに値しない」と、今どん底にいる方たち、死んでしまいたいと思っている方にも私は声を大にして言いたいのです。
星の光は暗闇ほど美しく見えるように、幸せのスタート地点は、絶望という暗闇の中にあるのです。それが自然の摂理です。光の美しさは光の中にいては認識できず、ささやかなありふれた日常がどれほどありがたいことか、感謝の心も芽生えません。暗闇の中にいる時こそ、下を向かずに上を向くことです。
大丈夫、必ず道は開ける、私の人生にはこの状況から最高の結果だけがやってくる、そう信じて、決して疑念を挟まず毎日朝も昼も夜も明るい未来だけを思い描けば、生きていて本当によかったと心晴れる日がやってきます。
自分を責めたりせず、心と身体を優しくいたわって下さい。自分の全てを受け入れ自分を愛すことも、私たちが実践するべき人生の必須レッスンです。
心の静けさが強さを引き出す*特別な力はあなたの中に
人は不安のあまり、宗教、占い、パワースポット、歴史上の人物や成功者と言われている人など、自分の外側の世界に摩訶不思議な特別な力や救いを求めがちです。
しかし、あなたは神性を帯びた霊的存在なのです。あなたの中に神の力があり、それは全ての人に等しく内在しています。つまり、救いの力はあなたの外にあるのではなく、中にあります。
私が全記事を通してお伝えしたいこと、それは私たち一人一人が神聖な存在で、全ての人が、人生で出会う試練を乗り越える力があるということです。しかし、かつての私のように、人生そのものを恐れて心配ばかりしていたり、自分の力を信じないとその力は消えてしまいます。
あなたが今、ここに存在しているという事実。人間として肉体に魂が宿り、意識を顕現させ、毎日呼吸をしている。そのことが自体が、神の法則と呼ばれる霊的法則による結果によるものです。あなたは絶対に忘れられることもなく、取り残されることもありません。あなたの人生は、必ず良きに計らわれています。
こうして、霊的知識に興味を持っていることがその証明でもあります。その地点まで導かれるまで、背後にどれほど大きな霊的な力が動いていることか、私たち人間は知る由もありません。とても我慢強く、気の遠くなるような年月の間、あなたをずっと愛し、見守り、導いている霊的存在がいる証拠です。
あなたを支えることで、地上世界をよりよくしたいと心底願っている霊的存在が、あなたを常に見守っているのです。あなたを支えることを光栄に思い、いついかなる時も愛しぬく人が霊の世界に必ずいます。
こうした霊的知識をもっていても、現実的に不安でどうしようもない時があります。また、良心に従い行動し社会悪に立ち向かった結果、周囲の人の反感を買い、暗いトンネルを一人歩かねばならないこともあるのが人生です。
そんな時は、一旦地上世界のことを忘れ、心に静けさをもたらす瞑想の世界に入ることです。寝転んだりゆったり座って、全身の力を意識的に抜きます。目を閉じて、深い呼吸を気持ちが落ち着くまでひたすら繰り返します。
息は肺の奥まで酸素を送り込むイメージで鼻からゆっくり大きく吸って、口からはきだします。最初は2,3分、慣れたら10分から15分ほど続けることが理想です。ストレスが溜まっている方は、無意識のうちに呼吸が浅くなってるかもしれません。私のようにある日突然、心身の健康を患う原因にもなりかねません。普段から、不安や緊張に襲われたら、その都度深呼吸を心掛けてみて下さい。就寝前の深呼吸もお勧めです。
この静けさの習慣は、心を愛で満たす効能があり、あなたの意識レベルを物質的な波長から霊的な波長(愛)へと引き上げます。愛は愛のみを引き寄せ、万事うまくいきます。毎日そう信じることが大切です。また、イライラしがちな方、心配性の方、悲観的な方、やめられない生活上の習慣がある方は、自分を傷つけるような精神状態と決別できるようになります。大事なのはせっかちになって結果を焦らないこと。気長に、気楽にやりましょう。
瞑想によってあなたは今まで到達したことのない、心の深い部分に到達できるようになり、内在する無限の愛を引き出し、心を強さと優しさで満たすことができます。何よりも、霊的援助があなたの人生に介入できるようになり、現状を打破する絶大な力になります。さらに、瞑想がストレスの伝達物質を遮断し、心と身体にも健康をもたらします。
明るい未来を信じて、自分の内なる旅へでかけましょう。心の深い部分に、どれほど強力な癒しの源泉が絶えず湧き出ているか驚かれることでしょう。世の中のいかなる人物も出来事も、あなたの心の深い部分には到達できず、影響を及ぼすことも傷つけることもできません。
あなたは、自分で自分の心を癒し、心の重荷と決別することができます。永遠に続く無限の霊的世界を歩く旅は、完全に自由で楽しい旅です。皆さんもぜひ、最初の一歩を踏み出すことをお勧めします。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、インぺレーターの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新書)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、これが死後の世界だ(潮文社)、霊力を呼ぶ本(潮文社)、生きがいのメッセージ(徳間書店)