人生で最も大切なことは、愛を分け与えること、そして愛を受け入れることを学ぶことである モリー シュワルツ
花は暗闇から育つ*流した涙は一滴も無駄にならない
諸事重なり、記事更新ペースが遅延し大変申し訳なく思っております。前回の記事では、魂の実像を、ダイヤモンドに例えながらお伝えしました。
その中で、アフィニティと呼ばれる霊的家族についても触れました。皆様にも究極の愛と親和力でつながり、永遠に人生の旅路を共にするアフィニティが、霊の世界や地上世界のどこかに必ず存在します。
時に数百、数千名以上ともなるアフィニティ内には、その中で最も高い霊的進化を遂げたリーダー的存在がいて、全体を統率しています。いわゆる高級霊です。
霊の世界では、心優しい人ほど霊性の高い”偉い人”です。高級霊は極めて優しい心の持ち主で、利己的な精神はかけらも持ち合わせていません。その崇高な心根は、順風満帆な日向日和の日常から育ったわけではなく、大粒の涙が何度も頬を伝うような、あらゆる艱難辛苦を乗り越えてきた経験から育まれています。
どんな美しい花も、土中の真っ暗闇の中の種子から育つように、人間も心に美しい花を咲かせるために、数々の暗闇を体験せざるを得ない時があります。その経験が同じ暗闇にいる人への親切心と寛容心を育み、暗闇から出た時に心の深い部分で、温かい陽光の下で生きられることに感謝できる謙虚な気持ちを育てます。たとえば、病気になって初めて同じ病状の人の気持ちが心底理解できたり、健康のありがたさを痛切に感じることは、多くの人が経験することです。
あなたが人生で流す涙の滴は、花の成長に必要な水分に相当し、様々な悲しみや苦しみを通して、心に愛の花を育んでいきます。高級霊ともなると、心にあり余るほどの美しい花を携え、それらを惜しげもなくつらい思いをしている人に差し出します。花を受け取った人に愛の芳香が漂い、元気づけることができるからです。その芳香はまた、与えた自分にも漂って幸せな気持ちにさせてくれます。
遺伝子がスパイラル状にできているように、人間の霊的成長も決してゴールまで一直線ではなく、必ず紆余曲折があります。それは不可避な自然の摂理で、霊的に高い資質を持つ人ほど、長く暗いトンネルを通るようになっています。“いい人”に、理不尽とも思えるようなつらい出来事が起こるのはそのためです。
でも、そのトンネルの出口にたどり着き、美しい花々に迎えられ眩いほどの陽光を全身に浴びた時、今まで通ってきたトンネルは、不幸ではなく真の幸福の入り口であったことに気づきます。
豊富な経験と知識を携え、本当の幸せの意味を知る高級霊は、アフィニティ内外の人々の精神的支柱となり、霊的な教育・指導を施すことで霊的成長を援助する大事な使命を担います。その教育方法も完全な愛に基づいたものです。
地上人生で誰かが失敗しても、厳しくとがめたり叱責することはなく、失敗から何を学びどう心の成長につなげていけばいいのか、優しく教えてくれます。
ただし、あまりにも霊性が低く頑固な人や自ら犯した悪行に理解が及ばない人には、その人が傷つけた相手の苦しみを感じさせながら、地上人生で行った利己的な言動を映像として繰り返し何度も見せたり、地上世界へ連れて行って、同様の利己的な言動をしている人を間近で見させ、自発的に反省するように促すこともあります。
では、現実的に地上人生で大きな過ちを犯した人に対して、高級霊がどのような心境の変化を起こさせるのか、次に交霊の様子からご紹介します。
夫の命を救ったのは、一番憎んでいた人だった
以下の内容は、別の記事でもご紹介したことがありますが、低俗な欲望が原因で、死後悲惨な界層に導かれてしまったある男性のお話です。ある日、霊能者・ジェームズ ヴァン プラグ氏の交霊会に、一人の高齢の女性(トルーディ)が夫と共に参加していました。
プラグ氏の目には、霊の世界からトルーディに会いにきたアールという男性の霊の姿が視えていました。彼は、大変狼狽した様子でした。
プラグ氏がトルーディに、アールと名乗る霊がいると伝えると、トルーディは咄嗟に目に怒りをにじませ「あのろくでなしね!」と、吐き捨てるように言いました。アールは生前、詐欺行為によってトルーディを含めた多くの人の老後資金を盗み、生活を破綻に追いやっていたのです。
アールはプラグ氏に「どうかこの優しい女性に、僕を許してくれるようお願いして下さい!本当に申し訳ないことをしました。」と懇願するように言いました。それを伝え聞いたトルーディは顔色一つ変えず「詐欺師め!」と怒りをあらわにしました。
アールは謝罪を繰り返し、多くの人々に深い傷を負わせたことを心から反省し悔やんでいること、自分がやったことは全て償うつもりであることを伝えました。なお、霊の世界はコミュニケーション方法が言語から思念へと変わり、心に思っていることが全て可視化されるので、嘘はつけません。この場には、霊視力のあるプラグ氏だけでなく、霊界側からプラグ氏の霊的ガイドも立ち会っていて、真摯に反省しているかどうかは一目瞭然です。
次にアールは、他界後に暮らしている天国の界層の様子を、プラグ氏に伝えました。「アールは薄暗いところにいます。その場所は自身の強欲なエネルギーで生み出された重苦しさと暗闇、苦悩で満ちています。そこには、アールと似たような行動をとった人たちもいます。」それを聴いたトルーディーは「まるで地獄ね」と突き放すように言いました。
このような凄惨な境涯にアールを死後導いたのは、神でも高級霊でもありません。アール自身です。他人の幸福を踏みにじってでも自分がお金持ちになればいいという、およそ愛とはかけ離れた低次元の動機と言動が霊体に反映され、死後、自動的に天国の中でも極めて低い波長の暗い界層に導かれたのです。
しかし、どんな人も確実に霊的覚醒の時がやってきます。自らの地上人生を一点の曇りもない霊的視点で見つめる時がくるのです。アールの場合、それからがある意味、本当の苦しみの始まりです。
凄まじい悔恨の念が全身を苦痛となって襲うだけでなく、多くの人に意図的に与えた苦痛そのものを、全て感じ取ることになるためです。
霊の世界では、アールのように猛省し向上心が芽生えた人には、すぐに高級霊が援助にかけつけます。ただ、援助といっても地道な謝罪と償いの道が待っています。傷つけた全員から許してもらうまで、苦痛から完全に逃れることはできません。
人は善意から結果的に誰かを傷つけてしまうこともあります。故意でなければ、つまり意図的に悪意を持ってしたことでなければ、霊的な責任は生じないため、多くの人は他界後に、アールのように苦しむことは一切なく心配には及びません。良心に背くことはしないこと、善意をもって周囲の人に接すること。人間に要求されていることは、それほど難しいことではありません。
プラグ氏は、霊の世界からアールがすでに償いの行為を始めていることを、トルーディに伝えました。
実は、トルーディの夫が以前手術が必要になった際、アールが思念を使って主治医ではないワトキンズという名医を、トルーディの夫の病室へ向かうよう差し向けたのです。その結果、ワトキンズ医師は主治医が見つけられなかった肺のアレルギー症状を見つけ、夫の命を救うことにつながりました。
トルーディはその話を聞いて、当時、突然主治医とは別の医師が来て驚いたことを思い出しました。そして、プラグ氏に向かい「アールにもう心配しなくていい。あなたを許すからと伝えて下さい」と言いました。トルーディは、夫の病状が快方に向かうよう、天に祈っていたのです。当時、その祈りを叶えてくれたのが、まさか自分を最も傷つけた人でした。
アールが他界後に、自らの行為を真摯に反省し、償いとして愛のある行為をしたように、過ちは、愛を基軸とした自分の行動でしか償えません。もちろんそれは、他界後まで待たなくても、地上人生を生きているうちに始められます。自分を救えるのは、自分だけなのです。
死が心に与える影響、心が死に与える影響
人間の身体がもし不老不死にできていて、アールがずっと地上で人生を送っていたら、彼は傷つけた人のことなど全く顧みず、 大富豪となって悠々自適の生活を永遠に送っていたかもしれません。
しかし、人間は誰しも地上世界から去る時がきます。そして、私たちは皆、そこから大事な教訓を学び取ります。アールに真摯な反省と気づきをもたらしたもの、それは彼自身の死です。死は人間に、生命の真実と教訓を教える最大の出来事でもあり、ただ単に死を恐れたり、最悪の出来事としてだけとらえるのは死の実像とあまりにもかけ離れています。
ただし、死が反省を促すからといって、大きな過ちを犯した人を死刑という方法で、霊の世界へ送り込むのは、霊的に大きな問題を引き起こします。
死刑によって地上人生を絶たれた多くの人は、そのこと自体に猛烈な怒りと復讐心を死後に燃え上がらせます。そして、地上世界に暮らす自分と同じような社会へ憎悪を持つ人間を見つけて近づき、凶悪犯罪をするよう思念を使ってそそのかし、満足感を得ようとします。
命とは、霊的なものです。本来、医療分野だけでなく、政治や法など命を扱う全ての人に霊的知識が必要です。いかなる人物にも誰かの生命を与奪する権利はなく、死刑は新たな殺人を犯しているのと同じことで、それは霊的に決して許されないことなのです。
また、どれほど地上世界で死刑支持を声高に叫んでいた人も、一旦死後の世界へいけば、それが地上世界の平和と安全を脅かし、新たな被害者を次々と生み出していると知れば、考えを180度改め意見を変えることになります。
地上世界の法は、全ての犯罪行為を取り締まることはできませんが、霊の世界の法は神の法則でもあり、誰一人逃れたり見過ごされることはありません。
たとえばアールが生前、自分がしたことによる死後の業苦が怖くなり、特定の宗教に入信しようが、それまで他人から搾取したお金を全額寄付しようが、霊的に罪が軽くなったり帳消しになることはありません。どれほど巨大な宗教組織が、「信じる者は救われる」と説いても、霊の法則を揺るがす威力は皆無です。教義は、人工的なもので霊的なものではないためです。
全宇宙を経綸する神は、米粒にも満たない星に暮らす人間に信じてもらえなくても、または寄付してもらわなくても何一つ困りません。信じてもらわないと困るのは、宗教関係者だけです。
信仰心は死後の世界においても尊重され、誰一人信仰を捨てるように強制されたり、霊的知識を無理やり教えられることはありません。あくまでも本人の自覚次第です。
しかし、あらゆる宗教的教義は、魂の自由な精神性を束縛し、霊的成長を止めてしまう側面があることを、私たちは知らねばなりません。特に死後の世界に関わることには、強烈なまでの信仰心が、信者を他界直後から路頭に迷わせてしまうという揺るぎない霊的事実があります。
たとえば死後に「裁き」があると信じていると、永遠の時の中で、家族やアフィニティの呼びかけにも応じず、「待つ」という自らが作り上げた想念世界の中で何百年、何千年も生き続けてしまう人がいます。 しかしいくら待っても閻魔大王は現れないし、最後の審判もありません。
これは死後の世界の最大の悲劇の一つといってよく、本来、人は天寿を全うした後、全ての苦しみから解放され、最高の美と安らぎに包まれながら意気揚々と歩んでいけるにも関わらず、真っ暗闇の中で、わずかなロウソクの光だけで生活をするようなものです。
スピリチュアリズムといって、人類は総じて少しずつ霊的に向上するように、霊界側で高級霊団が空前絶後の大規模な組織を構築した上で、綿密な計画がたてられています。
その主たる目的の一つが、多くの人の霊的向上に足枷をし、人類史に分断と流血をもたらしただけでなく、死後の世界をも長年混乱に陥れてきた誤った教義や迷信の完全打破です。
それがたとえ最愛の祖父母や両親から受け継いだものであっても、またたとえそれが故郷の地域ぐるみのものであっても、宗教の歴史や伝統、儀式や教えに、徹底的に理性と勇気をもって真正面から向い合えば、宗教の犠牲になることはありません。
もっと高い山を目指して
人は皆、地上世界においても死後の世界においても、向上を目指す道の途中にあります。私たちは、永遠に霊的進化を山道を登りゆく旅人であり、一つの山を登りきると、さらに目指すべき高い山が見えます。その山の頂に達すると、またさらに高い山を目指します。
高級霊にとってもこの連続で、目標の高い山に登るには、それに必要な正しい知識と資質を身に着けることが必要です。地上人生は他界後に始まるより壮大な高所登山に順応するために、比較的低い山を登って身体を訓練し、正しい知識と装備、それに耐えうる精神性を身に着けるための訓練期間のようなものです。
訓練期間である地上人生の間、魂に内在する神性(愛)を発揮して生きることや霊的知識を身に着けることは、他界後に始まる本格的登山への最善の準備となります。何一つ憂うことなく、周囲の絶景を楽しみながら、愛する人と新たな旅路へと歩みを進めることができるのです。
しかしこの準備を怠ったがゆえに、アールのように死後、困難な人生を強いられる人がたくさんいることも事実です。それはあたかもエベレストの頂上まで、何の予備知識も装備もなく、真夏の服装で一気に登ろうとするほど、霊的に常識外れなのです。
霊的視点からみれば、そのような準備不足の人を、霊の世界へ送り込むのはやめてほしいという切実な思いがあります。なぜならそうした人のために、わざわざ悲惨を極めた低い界層まで出向いて、一人一人に一から霊的教育を施さねばならないのは、霊の世界の住人です。そして、もしこの人が地上世界にいた時、わずかでも霊的知識があれば、こんな境涯で暮らすこともひどい後悔に苦しむこともなかったのにと思うのです。また、霊的知識は他界してからよりも、地上で生きてる間のほうが、ずっと吸収しやすい状態にあることも事実です。
当ブログを読んで下さっている皆様も、様々な紆余曲折があって霊の世界や魂の実在について興味を持ち、少しずつ心を開いていかれたと思います。
今現在、霊的な世界へ心を開いているということ自体が、皆様の霊的ガイドやアフィニティ、または先に他界した愛する人によって、霊的に正しい道へと着実に導かれている証拠です。
これは、今後の永遠の人生の旅路において大変意義深いことで、皆様が霊的知識を精神の中枢にとどめてそれを基盤とした人生を送ることで、霊的ガイドやアフィニティと霊的回路が強固なものとなり、霊界側からの支援も、心を開く前とでは比較にならないほど容易に届きやすくなります。
もし地上人生の歩みの中で、どうしても物事がうまくいかない時や不安で仕方がない時は、数分でも心を静粛にする時間をもつことです。その時間があってこそ、霊界側の住人はあなたのために大変活動しやすくなります。
身体を完全にリラックスさせて、深呼吸を繰り返します。毎日少しでもそんな時間を持つことが理想です。不安なことは全て祈りに変えましょう。その時、決してネガティブな結末はイメージしないことです。祈りの実現が妨げられてしまうためです。必ず、自分が望む最高の結果をはっきりイメージします。祈りの実現は、霊の世界と地上世界、双方の住人の信頼と協調が最大の鍵です。
あなたが今、どんな山道を登っている途中でも、沿道にはその姿が見えなくても、声が聞こえなくても、あなたを愛してやまない仲間がいて、温かい声援を送り続けています。これからも、ずっとあなたは守られ、頂上まで必ず導きがあります。どんな時も、決して一人ではありません。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:シルバーバーチの霊訓(潮文社)、ベールの彼方の生活(潮文社)、インぺレーターの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新書)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、これが死後の世界だ(潮文社)、霊力を呼ぶ本(潮文社)