慈しみの心、寛大な心が大切です。自然破壊ではなく、自然との調和こそ理想とすべきです。人間には神性が宿っているのです。残酷は残酷を呼び、争いは争いを生みます。しかし愛は愛を呼びます。地上の生命ある全てのものに、愛の心で接して下さい。シルバーバーチ
私は霊的な存在*自覚が幸福を呼ぶ
前回の記事では、親子に関係する交霊や霊的体験談を交えつつ、霊的知識をお伝えしました。そこには、他界した両親が地上人生の過ちから学んだことを、我が子のために愛に変えて行動に移す姿がありました。
私たち人間は、本質的に進化性を持つ霊的存在であり、自らの精神的弱点を克服し成長を望まずにはいられない生命体なのです。
また、私たちは完全公平な霊的法則のもとに生きていて、地上人生の日々の言動は、死後の人生に直接大きな影響を与えることも揺るぎない事実です。霊的に退歩した部分があれば、そこを見つめ直し、他界後に大きく膨れ上がった後悔の感情が償いの行動へと人を掻き立てます。
霊的法則はまた、善意ある言動には必ず相応の報償も用意しています。誰かの心、生活、人生を、少しでも明るくするために行った愛ある言動は、全てあなたの霊体に記録され、それが極上の安らぎと幸福感となって心を満たし、暮らす環境にも反映されます。
そうした幸福感を味わうのも、「自分は霊的な存在なんだ」「これからは、霊の世界で新たな人生を生きていくんだ」という他界後の自覚が何よりも大きな意味を持ちます。心優しい人ほど霊の世界の高い波長に感応しやすく自覚が早まりますが、もう一つ大切なことは、一生の間、死後の世界について真剣に考えたことがあるかどうか、個々の意識内の霊的感応力が影響します。次に、ある交霊の様子を一緒に見てみましょう。
イギリス人霊能者・エステル ロバーツ氏の元に、悲しみに打ちひしがれた一人の女性(ベリー・24歳)がやってきました。ベリーは、二つ年上の男性と結婚し幸せに暮らしていましたが、結婚生活が八か月を過ぎた頃、ある日夫が突然激しい頭痛を訴え、脊髄炎で数日後に息を引き取りました。
ベリーがロバーツ氏の元を訪れたのは、それから二ヶ月後のことです。夫の情報はこの時何も知らないロバーツ氏が霊視すると、男性はまだ頭が混乱した状態で、うまく思いを伝えられずにいました。
そのため、ロバーツ氏はベリーに予め送ってもらっていた夫の遺品(夫が死の直前まで仕事中に修理していたマイクロメータという測定器など)に触れることで、そこに残っている夫のエネルギーを読み取ることにしました。この手法をサイコメトリーと呼び、物に触れた瞬間に直感的にその物に関わっていた人の情報や感情を読み取ります。
ロバーツ氏は、マイクロメータを手にした瞬間、若い男性の姿が浮かび上がり、「どうしても死にたくなかった」という感情を受け取りました。また、男性が地上人生でやりたかったことがたくさんあり、わずかな期間しか結婚生活を送っていないことなど、他界したことを非常に悔やんでいる強い感情を感じ取りました。
ロバーツ氏はさらに、夫の家族や友人の名前などの情報を遺品から受け取り、夫が他界する直前に何度も頭に手をやって気にしている様子を受け取りました。ベリーは全てその通りだと言い、高熱と頭痛がひどく、しきりに手で頭をなでていたことを伝えました。
ベリーは、生前霊的なことを嫌い抜いていた夫の現在の様子がわずかでもわかれば、と思って交霊に参加したこともあり、夫が他界後も自分のそばにいることがわかって得心した様子で帰っていきました。しかし夫の立場に立ってみると、彼は霊の世界に全く馴染めず、本来多くの人が感じるはずの幸福感を全く感じられていません。それは、霊的な自覚が彼の心に芽生えていないためです。
人は他界したら、まず霊の世界の環境に慣れ、地上世界とは異なる生活習慣や地上世界との関係を学ぶ必要があります。郷に入れば郷に従え、なのです。なお、子供の場合は、大人に比べて死後の世界に対する固定観念がないので、大人よりも霊の世界に早く順応できます。
霊的知識の効能*あなたを守り、安らぎを与える万能薬
ベリーの夫は他界後、二ヶ月が経っているわけですが、霊の世界には時間が存在しないため、他界した人は時間の感覚がなくなっていき、本人はたとえば死後1週間ぐらいのつもりでいることがあります。
こうして、中には他界して数か月ぐらいたっているつもりが、実は何十年、あるいは何百年も地上世界にとどまり続け、霊的自覚が芽生えない人もいます。その人が持つあまりにも強い思いや固定観念など、様々な要因が霊的自覚の芽生えを阻害してしまうのです。
少し話がそれますが、近年土葬を望む日本在住のイスラム教徒の方と自治体との間で、トラブルに発展することがあります。既存宗教で永い間、「正しい」と何億人もの人に信じられていることでも、霊的には過ちであることがあり、土葬はその典型です。火葬には、他界した人が肉体やこの世への未練を断ち切り、霊的自覚を促す強力な作用があるのです。
何とか土葬にこぎつけた親族の方は、これで他界した人も喜んでいる・・・と信じて疑わないのですが、実際は地上世界に引きずり戻されて、自分の身に何が起こったのか理解できず、墓地の周囲をうろつく場合があります。
ベリーの夫はカトリック信者でもあり、教義以外の霊的なことに強い嫌悪感を抱いていましたが、天国は、地上のいかなる宗教、信仰心とも無関係の世界です。また「やりのこしたことがある」という強い気持ちを持っていたことも、霊の世界にすぐに馴染めなかった理由の一つです。
現実的に、人は他界したあと親族が遺産などでもめていると、天国で安らな気持ちにはなれず、しっかり話し合っておけば良かったと後悔を深めることが多々あります。自分の財産や葬儀のことを予め家族や大切な人としっかり話し合っておくことは、結局は自分を助けることにもつながります。終活という言葉がありますが、こうした実務的なことは、軽視するべきではありません。
ただ、それ以上に大切なのが、死後の世界の知識=霊的知識です。たとえば、外国に足を運ぶ時、現地の言語やコミュニケーション方法、気候、生活習慣などを予め調べて正しい情報を得ることは、旅を充実させてくれます。
もし日本の真夏に南半球のオーストラリアに旅行に行く時、現地は冬だと知らないと、大変なことになります。知識があれば何の問題もないことですが、知識がなければ自分が困ります。死の先に待ち受ける世界もこれと同様で、知識があればいつ、どんな形で死の境界線を越えても、すぐに順応し全く問題になりませんが、なければ人によっては、心がついていかず、右往左往してしまうのです。
地上世界で旅をする時は、自分の都合でいつでもキャンセルできますが、死だけはキャンセルできません。過去のどんな偉人も、死だけは避けられませんでした。霊的存在である人間は、霊的法則内で生きるしかなく、自然の摂理には決して逆らうことはできません。
そこで、霊的知識ほど人の心に霊的自覚を促す強烈な作用をもつものは外にありません。死という不可避な生命現象において、霊的知識は他界後も必ずあなたの前途を明るく照らす灯となり、すぐに愛する人やペットとの再会を可能にするパスポートとなり、あなたに極上の安心感と幸福感をもたらす即効性のある最強の万能薬となります。
光と影*悲劇をのりこえて
次も、他界後に霊的自覚が芽生えなかった別の交霊の様子をお伝えします。数年前、アカデミー賞主演女優賞に中国系マレーシア人のミシェル ヨーさんがノミネートされた時(その後受賞)、アジア人女性としては史上初の快挙として、様々なメディアが祝福をこめて大々的に報じました。
しかし実際は、1935年の映画(The Dark Angel)で、スリランカ人の母を持ちインド生まれのアジア人女性が、同賞にノミネートされていました。マール オべロンという女性で、ハリウッドのウォーク オブ フェームにも名前が刻まれている人です。
オべロンは子供の頃から貧困や差別に苦しむなど、非常に厳しい環境で生きてきた人でした。18歳の時渡英し、その後俳優としてアメリカへと活躍の場を移していくのですが、関係者から肌にホワイトニングクリームを塗るよう強要されたこともあり、人種的な偏見から身を守るため、自らの出自をしばらくの間ひた隠しにしていました。そのため、社会からアジア人女性とは認知されませんでした。
オベロンには、さらなる試練が待ち受けていました。ある日、空港で婚約者を見送った直後、飛行機が墜落し、最愛の人が帰らぬ人となったのです。オベロンは茫然自失の中、高級霊シルバーバーチの交霊会を主催しているハンネン スワッファーの著書を偶然手にし、そこに引用されていたシルバーバーチの霊言に深い感動を覚えました。
オべロンはすぐにスワッファーに連絡をとり、シルバーバーチの交霊会に参加できることになりました。そこでオべロンは早速、彼は死ぬ時苦しくなかったのか、元気にしているのか、今幸せなのか、と矢継ぎ早に尋ねました。
「大丈夫です。元気にしています」という言葉を誰もが期待しますが、現実は違いました。シルバーバーチは「あれだけの事故であれば、無理もない」と前置きした上で、死は一瞬の出来事で彼は全く苦しまなかったが、突然の死によって、彼は霊の世界に居心地の悪さを感じ、オベロンの元に戻ってそばを離れず、死後の世界に全く順応できていないこと、これから順応のための永い調整期間が必要になることを伝えました。またその最たる原因は、彼が生前、死や死後の世界について、一度も真剣に考えたことがないため、霊的な自覚が芽生えないことをあげました。
本来、死の瞬間は霊体と肉体をつなぐ生命のひも・シルバーコードがゆっくりと離れながら切れていくプロセスを経ます。ただ、飛行機事故や交通事故のように突然、強烈な衝撃を受けると、一瞬のうちにシルバーコードが切断され、それに加えて精神的ショックも大きく、死後、地上の病院に相当する施設で、心のケアをしながら霊的自覚を促してきます。霊体そのものは全く無傷で痛みなどはありませんが、精神に穏やかさを取り戻す必要があるのです。霊的知識があれば、このプロセスは不要です。
オベロンの婚約者は、自分の意思で地上にとどまり続けることを選んだため、霊の世界の住人は支援のための手出しができません。死後の世界は、各自の自由意思が何よりも尊重されるからです。
心に深い傷を負ったのは、突然愛する人を亡くしたオベロンも同じですが、彼女にとっては大切な人の死が、霊的世界へ真摯に心を開くきっかけとなりました。シルバーバーチは、絶望の淵にいるオベロンに、彼はもう安全だということを伝えた上で優しく語りかけました。
大切な知識、偉大な悟りは、悲しみと苦しみという魂の試練を通して初めて得られるものです。光と影の両面が無ければなりません。光の存在を知るのは暗闇があるからです。同様に、困難と悲しみを通して初めて魂は自我を見出していくのです。それはとてもつらいことですが、でもそれが霊的存在としての永遠の身支度をすることになります。なぜならば地上人生そのものの目的が、死後に待ち受ける次の生活に備えて、それに必要な霊的成長と才能を身に着けることにあるからです。
死が訪れると人は、それまでに身に着けた個性の全てを携えて霊の世界へ行きます。意識、能力、習性、愛情、友情、こうしたものは全て霊的属性であり、霊的であるからこそ存続するのです。真にあなたのものは失われません。あなたが愛する人、そしてあなたを愛する人は、今なお生き続けています。
また、今後オベロンが霊の世界から援助をうけるためにできることとして、以下のように言葉を続けました。これは、地上に生きる全ての人が知っておくべきことです。
あなたのほうでも、心を平静に保つ努力をして下さい。それができるようになれば、彼があなたに与えたいと望み、あなたが彼から得たいと望む援助や導きが、確かに届いていることを得心なさることでしょう。霊的な波長は極めて繊細なため、地上の人の不安や悲しみといった感情によってすぐに乱され、霊的援助の妨げとなります。心を静粛にして安らぎを得ることができれば、霊界側から必要な援助をお届けする最高の条件を用意することなります。
自然との調和*謙虚、感謝、愛
冒頭の交霊で登場したベリーの夫は、生前、霊的なことをとても嫌っていました。彼の心が霊的世界に感応するはずがなく、結果、他界後に地上世界にとどまり苦しむことになりました。
目に見えず、耳に聞こえない世界を無理に受け入れる必要はありません。当ブログの記事を読んで下さる皆様も、常に受け入れられる範囲でお読みいただければと思っています。
ただ、せめて私たちの地上人生が死後の世界と密接なつながりがあり、霊的法則によって支配されているということだけでも、心の片隅においていただけばと願っています。霊的法則について懐疑的な方は、一度地球の大自然を思い浮かべてみるといいかもしれません。
古代の人々は毎年の季節の移りかわりや満天の星々の規則正しい動きの中に、自分たち人間よりも遥かに知的で偉大な存在を見出していました。アイルランドでもエジプトでも中南米でも、古代の人々は皆、大自然の装いの中に神の存在をはっきりと感じ取り、神を敬い、畏れ、祭事は太陽の動きに合わせて行われ、世界各地で古代の天文台の遺構が発見されています。
日本人もまた、自然界のありとあらゆる場所に、神を見出した民族です。「そこに神が」と感じた場所を掃き清め、みだりに人が入らぬようにし、祈りを捧げました。神道の始まりです。
神に対して、人工的な教義も儀式も神殿も不要でした。現代のように、様々なご利益をうたって人々の注目とお金を集めることもしませんでした。ただ、自分たちより遥かに偉大な存在を心の深い部分で感じ、身を低くして、その神秘の存在によって与えられる多くの恵みに感謝を捧げたのです。
神の顕現である大自然は、人間の心に真摯にこたえてくれます。種子を植える時は、身を低くしなければなりません。謙虚な気持ちで大地を敬い、感謝と共に愛を吹き込みながら作物を育てると、豊かな実りと健康、幸せをもたらしてくれます。
しかし、人間こそが一番だと尊大な態度で自然に接したり、利己的に搾取すれば、決して幸福は手に入れられません。霊的法則によって、あなたが与えたものが何であれ、それがあなたが受け取るものです。
私たち人間もまた、自然=神の一部であり、神とは永遠に切っても切れない関係です。神と調和して生きれば、個人としても霊的法則により大きな霊的成長と幸福、繁栄を得るだけでなく、地球全体としても幸せな結果がもたらされます。調和の方法は、謙虚、感謝、愛を、毎日の生活の中でどれだけ意識の中で携えていけるか、それだけです。
なぜなら、神性を帯びた霊的存在であるあなたは、謙虚である時、感謝の気持ちで心が満たされている時、愛を言動に移している時、神と完璧に調和しているからです。
宇宙に浮かぶ青くて小さなこの星は、気の遠くなるような年月をかけて、自然も生命も奇跡の進化を遂げてきました。しかし現代は、科学の進歩に人間の霊的進歩が追いつかず、自然も人間も動物も傷だらけになっています。
時代の最先端で今を生きる私たち一人一人が、世界中どこにいても神の心である謙虚、感謝、愛に生きその発信源となれば、地球の大地にたくさんの神聖な種がまかれ、世界はきっと今よりも優しくて、みんなが生きやすい場所になっていきます。
今日も最後まで希望発見ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
Your soulmate friend,Lani
参考文献:シルバーバーチの霊訓(潮文社・交霊の様子を引用)、ベールの彼方の生活(潮文社)、インぺレーターの霊訓(潮文社)、これが心霊の世界だ(潮文社・交霊の様子を引用)、こころが安らぐ本(大和書房)、こころが満たされる本(大和書房)、私はできる!(サンマーク出版)、すべてうまくいく(角川書店)、人生をもっと幸せに生きるために(河出書房新書)、パワーオブ・ザ・ソウル(JMAアソシエイツ)、コナン ドイルの心霊学(潮文社)、これが死後の世界だ(潮文社)、霊力を呼ぶ本(潮文社)、生きがいのメッセージ(徳間書店)