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古代中国史が、日本の歴史をわかりやすくする*お勧め中国史小説10選

 何で中国の歴史が出てくるんだ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
 漢字を中国から『輸入』した私達日本人の先祖は、古代中国史から多くを学び続けてきました。平安時代の宮廷人も、サムライも、明治維新の立役者も、明治時代の文豪も、漢文で書かれた書物『漢籍』から多くの知恵を得て参考にした上、自らを磨き、日本のために命を燃やしてきました。
  江戸時代の日本人の識字率は世界で最も高かったとも言われています。特に武士階級は戦国の世が終わり、泰平の世になったことで、武力よりも学力が重要視され、読み書きはできて当然でした。各藩は漢籍を収集し、中国古典から多くの知識の吸収に努めました。
  どうしたら、人生に立ちはだかる困難を乗り切ることができるのか。どうしたら、国をもっと豊かにできるのか。身を亡ぼすような失敗だけはしたくない。どうすればいいのか?
 それは、先人の栄枯盛衰を学ぶことでした。自分達より前の時代に生きた人々の考え方、生き方、戦い方などを学ぶことで、避けうる限りの過ちは避け、実りある生き方、栄ある国のあり方にいかしてきました。
   中国古代史を克明に記録した人がいます。『司馬遷(しばせん)』です。彼は日本がまだ弥生時代だった紀元前90年頃、『史記』という全130篇、文字数52万6500字という歴史書を完成させました。人々がどのような暮らしをし、何を考え、苦難をどう乗り越えてきたのか。そこには尽きることのない先人の知恵がつまっています。『史記』のおかげで、後世の人は、古代中国文明から多くを学ぶことができました。
  日本の歴史を題材にした小説を書く方は、驚くほど中国史にも精通しています。それほど、日本史に登場する人物を理解したり、本当の時代背景を理解するには、中国史を理解するのは不可欠で、大きな影響を与えているからです。
 今回は、そんな中国史をわかりやすく教えてくれる小説をご紹介します。

蛇 - Jinshaling Great Wall, China

井上 靖

風林火山』『真田軍記』など日本の歴史小説も書いている井上さんの中国小説はとても読み応えあるものばかりです。今まで触れたことのない知識の泉に浸ることができ、読後はいつも感慨無量といった気分になります。

 敦煌

官吏任用試験に失敗した趙行徳は、開封の町で、全裸の西夏の女が売りに出されているのを救ってやった。その時彼女は趙に一枚の小さな布切れを与えたが、そこに記された異様な形の文字は彼の運命を変えることになる……。西夏との戦いによって敦煌が滅びる時に洞窟に隠された万巻の経典が、二十世紀になってはじめて陽の目を見たという史実をもとに描く壮大な歴史ロマン。

 敦煌 (新潮文庫)

宮城谷 昌光 + 名言

 宮城谷さんの小説は至言ともいうべき、人生のヒントになる言葉が随所に散りばめられています。いつも読みながらメモし、繰り返し読んでいます。難しい漢字も出てきますが、言葉を噛みしめながら読みたい人にお勧めです。作家、司馬遼太郎さんが亡くなる40日前に名古屋で会い、食事をし、司馬さんからお褒めの言葉をもらったという宮城谷さん。何か心の奥深い部分で引継ぐものがあったのでしょうか。

管仲

「管鮑の交わり」で知られる春秋時代の宰相・管仲と鮑叔。二人は若き日に周の都で出会い、互いの異なる性格を認め、共に商いや各国遊学の旅をしつつ絆を深めていく。やがて鮑叔は生国の斉に戻り、不運が続き恋人とも裂かれた管仲を斉に招く―。理想の宰相として名高い管仲の無名時代と周囲の人々を生き生きと描く。

管仲 上 (文春文庫) 
『生きていれば必ず事態や環境が好転する時がくる。その時が人生の勝負ではなく、それまでどう生きるかが勝負を決する』
『旅にはでてみるものだ。知識が違う相貌を持ち違う重みを持つ。思考が違うはつらすさを持ち、違う悲しみを持つ。その悲しみには何もうまない感傷ではなく、人が自然に触れたというより自然に深々と抱かれた時に感ずるもので、生きていることに伴う喜怒哀楽を一瞬通り抜け、生きているという意義さえ超越してしまった空虚さといってよい。この心身のありかたは不動であり超越していて、人が人ともたれあって生きているというぬきさしならない現状の中で、人に昌されない絶対者になりえた瞬間である』

孟嘗君

斉の君主の子・田嬰(でんえい)の美妾青欄(せいらん)は、健やかな男児・田文(でんぶん)を出産した。しかし、5月5日生まれは不吉、殺すようにと田嬰は命じる。必死の母青欄が秘かに逃がした赤子は、奇しき縁で好漢風洪(ふうこう)に育てられる。血風吹きすさぶ戦国時代、人として見事に生きた田文・孟嘗君とその養父の、颯爽たる人生の幕開け。(全5巻)

孟嘗君(1) (講談社文庫)

 『人が不幸のどん底にたたき落とされた時、実はそこから幸福が始まっていると考えられるかどうかだ』
『大きな不幸を耐え忍んで初めて大きな幸せを得ることができる』
『人生はたやすい。人を助ければ、自分が助かる。それだけのことだ』
『今日よりもましな自分を明日に描いて生きる。それしかない』

『青雲遥かに』

中国・戦国時代後期、貧家の三男に生まれた范雎は、苦労して学問を身につけ、密かに大望を抱きつつ、諸国を巡っていた。その途上、謎の佳人原声に逢う。やがて、故国魏で仕官した彼は、仕事先の斉で襄王に謁見したことが主人の思わぬ誤解を招き、極刑に処せられる。奇跡的に命拾いした范雎は、心に復讎を誓いつつ、潜伏する…。「秦の名宰相」范雎の苦難の時代を、雄大なスケールで情感豊かに描く。

青雲はるかに〈上〉 (集英社文庫)

『傲慢な人には知恵のふくらみがない。威張っている者に誰が親しみ近づこうとするであろうか。人が近づいてこないということは、益のあることばにふれることができないということであり、知恵はすぼむばかりである』

楽毅

古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。

楽毅(一) (新潮文庫)

『天は高いので自らおごり高ぶれば、それだけ天に近づくような錯覚があろうが、実際はそうではない。辞を低くした者こそあるいは天から最も離れたところにいる者こそ、天の高さがわかり天の恐ろしさも恵みもわかるだけに、天佑を受けられるのだろう』 *天佑(てんゆう)=思いがけない幸運、天の助け
『勇気を持つことだ。勇気とは人より半歩進み出ること。人生でも戦場でもその差が大きい』

『呉漢』

 三国志よりさかのぼること二百年。王莽の圧政に倦んだ人々は、新たな「天子」を求めていた。貧家に生まれ、一生土を耕して暮らしていくと思われていた呉漢は、食客の犯した罪により、生まれ故郷をあとにすることになる。劉秀の軍に合流した呉漢は、たちまち武将として頭角をあらわし、十四年にもわたる戦いに身を投じることになる。光武帝劉秀が最も信頼し、最も愛した武将の生涯を、鮮烈に描く。 

呉漢 - 上巻 (単行本)

北方 謙三

 同じ中国史でも宮城谷さんと北方さんは書き方が全く違います。北方さんは自分の主観的な考えは述べず、ただ物語をひたすら進めていきます。平易なことばで書いてくれるおかげで、どんどん読み進めていくことができます。何度も寝不足になりました。特に、文庫本全19巻ある水滸伝は要注意です。中国の歴史小説は、最初は聞きなれない地名、人名に戸惑いますが、北方さんはそんな読者の戸惑いをあっという間にかき消してしまうほど、読者をすぐに歴史の中に引き込み、手放しません。

水滸伝

十二世紀の中国、北宋末期。重税と暴政のために国は乱れ、民は困窮していた。その腐敗した政府を倒そうと、立ち上がった者たちがいた―。世直しへの強い志を胸に、漢たちは圧倒的な官軍に挑んでいく。地位を捨て、愛する者を失い、そして自らの命を懸けて闘う。彼らの熱き生きざまを刻む壮大な物語が、いま幕を開ける。

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

史記

匈奴の侵攻に脅かされた前漢の時代。武帝劉徹の寵愛を受ける衛子夫の弟・衛青は、大長公主(先帝の姉)の嫉妬により、屋敷に拉致され、拷問を受けていた。脱出の機会を窺っていた衛青は、仲間の助けを得て、巧みな作戦で八十人の兵をかわし、その場を切り抜けるのだった。後日、屋敷からの脱出を帝に認められた衛青は、軍人として生きる道を与えられる。奴僕として生きてきた男に訪れた千載一遇の機会。匈奴との熾烈な戦いを宿命づけられた男は、時代に新たな風を起こす。

史記 武帝紀 1 (時代小説文庫) 

『楊家将』

中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。
物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。
その宋の領土を北から虎視眈々と狙うのが、遼という国。強力な騎馬軍団を擁するこの国は、宋の一部であった燕雲十六州を奪い取り、幼い帝を支える蕭太后の命により、南下の機会を窺っていた。
奪われた地を取り戻すのは宋王の悲願――。外様であり、北辺の守りを任されている楊家は、遼との血戦で常に最前線に立たされる。
楊家の長で「伝説の英雄」として語り継がれる楊業と七人の息子たちの熱き闘い。
苛酷な運命のなかで燦然と光を放った男たちを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』

楊家将〈上〉 (PHP文庫)

司馬 遼太郎

 司馬さんには珍しい中国を題材にした作品、『項羽と劉邦』。とても読みやすくわかりやすい。その一言に尽きます。本当に読む価値のある小説だと思います。ちなみに、司馬さんの小説『胡蝶の夢』『花神』『翔ぶが如く』の題名は全て漢語からとっているとか。

項羽と劉邦

叔父・項梁の戦死後、反乱軍の全権を握った項羽は、鉅鹿の戦いで章邯将軍の率いる秦の主力軍を破った。一方、別働隊の劉邦は、そのすきに先んじて関中に入り函谷関を閉ざしてしまう。これに激怒した項羽は、一気に関中になだれこみ、劉邦を鴻門に呼びつけて殺そうとするが…。勇猛無比で行く所敵なしの項羽。戦べただがその仁徳で将に恵まれた劉邦。いずれが天下を制するか。

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

 司馬さんは『中国史は逆ピラミッドだ』とおっしゃったそうです。古代に遡れば遡るほど、広がりがあるのだと。様々な民族が入り乱れた古代のほうが、思想そのものに自由があったからでしょうか。

  歴史には何千年もの間、命のバトンをつないできた人々の、数えきれないほどの生きる知恵が詰まっていて、とても魅力的です。よかったら読んでみて下さい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Your spritual friend,  ラニ

尊敬する、司馬遼太郎さんのことを書きました。

www.spiritualfriends.work