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希望発見ブログLooking for HOPE 

心を癒す旅 ~もっと楽しく、もっと気楽に。

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霊的真理(スピリチュアリズム)、瞑想、歴史、名言、旅行、子育て、エンタメ、心の癒し。様々な分野から、楽しく楽観的に生きるための希望を見つけ、ご紹介しています。

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司馬遼太郎さんが教えてくれた、日本人として幸せに生きるために必要なこと

 二十代前半のアメリカに留学中に、今まであまりにも日本の文化や歴史のことを知らなさ過ぎた、と何度も痛感しました。質問されても、うまく答えられないのです。日本語でもよくわかっていないのに、英語で説明できるわけがありません。
 帰国後、日本の社会に非常な窮屈さを感じ、なかなか順応できず、パニック障害になるなど、かなり心を病んでいた時期がありました。その頃は浅はかにも、悪いのは窮屈な社会のせいだという漠然とした思いがありました。
 でも、よく考えれば、十代の頃から洋楽や洋画ばかりを好み、日本のことを知ろうともしなかったのだから、日本の良さがわからなくて当然でした。

 
 いったい、自分が住む日本という国には、どんな素晴らしいところあるのか?日本人の魅力とは何なのか。それを知れば、毎日がもっと楽しくなり、生きやすくなるんじゃないか。
 でも、どうやったらそれがわかるんだろう。勉強は苦手だし、どうせ学ぶなら、楽しくやりたい。その望みを全て叶えてくれたのが、司馬遼太郎さんです。

Spring 2010

馬さんの文章は、絵画のように美しい

 私が起こした行動は、まず書店に向かうことです。なぜかというと、それまでよく高杉良さんの経済小説を読んでいたのですが、これがとても勉強になって、小説を読めば、知りたい世界のことを楽しく学べる、という思いがあったからです。
 
 私は日本の歴史に目を向け、書店に向かうと、『竜馬がゆく』という小説の前で足が止まりました。著者名は『司馬遼太郎』となっています。それまで幕末の志士、坂本龍馬に興味を持ったことはなく、まして司馬遼太郎という名前さえ知りませんでした。
 
 でも、何とか生きる希望を藁にもすがる思いで探していたこともあり、買わねばいられない衝動にかられ、購入しました。『竜馬がゆく』は文庫本でまとめて全8冊あります。帰宅後早速ページをめくってみると、何とおもしろいことか!1冊目を読み終えた頃には、あと7冊あってよかった、と思ったほど。
 
 
坂本竜馬が少年期から青年期にかけて、劣等感や土佐藩独特の身分制度に苦しみながら、胸の中の熱い思いを育んでいく姿が、とても魅力的に描かれていて、あっという間にのめり込みました。
 8巻全て読み終わる頃には、司馬さんや坂本竜馬に会えたことに、心から喜びが湧き上がりました。
 司馬さんの小説にとことんはまった私は、短編を含めた全ての小説や『街道をゆく』と題した紀行本を全て楽しませてもらいました。

竜馬がゆく (新装版) 文庫 全8巻 完結セット (文春文庫)

 司馬さんの歴史や文化、宗教、芸術に対する豊富な知識量は驚異的です。
 その巨大な知識の泉の中から、厳選した情報が絞り出され、絵画のような美しい文章が一つの本を織り成しています。だから読む前から楽しみになり、読んでいる間は心が喜び、読後は爽快な気分になります。

 それに、司馬さんの作品にはどれも、日本や日本人に対する深い愛情と、歴史に対する深い畏敬の念が伝わってきます。だから小説を読んでいると、日本人に生まれたことを、誇りに思えるのです。

Buffalo Ny ~ Buffalo and Erie County Historical Society ~ Japanese Garden  On Mirror Lake and on the grounds of the Buffalo History Museum

司馬さん自身が、日本に絶望していた時があった

  司馬遼太郎さんは、1923年(大正12年)生まれで、学徒出陣により、第二次世界大戦に参加し、青春期を国によって翻弄されることになります。実際、この戦争では二十歳前後の方がたくさん亡くなりました。

 司馬さんは戦車隊に属し、日本で終戦を迎えました。戦争で日本が焼け野原になったことを受け、日本軍部の上層部に対し、やるせない気持ちが湧き上がります。そして、「どうしてこんなバカな戦争をしてしまったんだ」「日本にはもっとましな時代があったに違いない」そう思うようになり、歴史に目を向けられたということです。
 その後、新聞社への勤務を経て小説家になり、すぐに手腕を発揮し、『梟の城』で直木賞を受賞されます。その後は、ファンの方ならご存じの通り、ベストセラーを連発されます。

小説の中にちりばめられた勇気がでる言葉

 司馬さんの小説の中には至言とも言うべき、心に響く言葉がたくさん散りばめられています。
 例えば『戦雲の夢』という小説の中で、西暦1600年に行われた関ヶ原の戦いで惨敗し、土佐の国も大名の地位も失い、幕府に何年も幽閉されながら、どん底から再起を図る長宗我部盛親のセリフが、胸に響きます。彼と親しいある女性が、盛親にこう声をかけます。

‟男の天とは目で見、耳できけるものではございますまい。男がご自分のもって生まれたお才能(うつわ)を、天にむかって試してみることではございませぬか?”

 
 この言葉に、それまでこのまま年老いて朽ちていくのかと鬱屈する日々を送っていた盛親の心が一瞬して晴れ上がり、盛親は天にむかって血の最後の一滴まで駆けようと決心します。

 “いままでの俺は、事の成否を考えすぎていた。
自分を賭けるだけでよい。賭ける、というそれだけのなかに、男の人生がある。賭けの結果は二の次にすぎない”

 盛親はこの後、幽閉から抜け出し大阪城に向かい、かつての家臣達と合流し、大阪冬の陣、夏の陣で、徳川家康に対峙する侍大将として輝きを取り戻します。
 司馬さんご自身も新聞社で次長を務めながら、小説家に転身されました。ご自身の才能を天に賭けた方だからこそ、こんな素晴らしい小説を書けるのでしょう。
 こんな感じで、司馬さんは歴史上の人物を通して、勇気を与えてくれます。当時私は、盛親の言葉に大いに勇気づけられました。
 
「追いたい夢があるなら、思い切って挑戦してみなさい。失敗してもいいし、うまくいかなくてもいいんだよ。『挑戦する』そのことにとっても大きな意味があるんだよ」
 そんな風に司馬さんに優しく声をかけられている気がして、ひ弱な胸の奥にしまいこんでいた夢や目標が、どっとあふれてきました。

レジェンド歴史時代小説 戦雲の夢 (講談社文庫)
 
 人間の本当の幸せは、好きなことをやり、夢を実現する過程にあるのでしょう。だからこそ、いかなる理由があろうとも、人生を投げだしてはならない、夢をあきらめてはならない、と司馬さんは教えてくれている気がします。
  
『人が一生を終える時、必ず深く後悔することは、挑戦しなかったことであり、失敗したことではない』
 どの小説からも、そんなメッセージが伝わってきます。

  
『箱根の坂』という小説には、87歳にして戦国初の大名になった北条早雲が描かれています。民衆の苦しみを全く顧みようとしない室町幕府の旧体制を打破すべく、56歳にして立ち上がり、ずっと善政を敷き続け、88歳で伊豆で没するまでの見事な一生に胸を打たれます。読み終えた時、司馬さんがこんな風に語りかけている気がしました。
 
「早雲を見てごらん。人生50年と言われた時代に、56歳にして芽生えた志を行動に移したんだよ。みんな自分のことで精一杯で他人を顧みなかった時代に、たくさんの人々に手を差し伸べ続けた。年齢なんてただの数字。やりたいことがあるなら、年齢を言い訳にしちゃ駄目だよ」
 
  本文中にも力強いメッセージが込められています。

‟人は頼もしくあらねばならない。人から頼られ、人の命をかばい、人の暮らしを立つようにしてやり、人の悲しみには我がことのように泣く心をもち、人が田地を押領されれば、たとえ非力でもその敵には立ちむかい、おのれの首に矢が立っても悔いはないという心を、つね日頃から養っておかねばならない”

 『人は頼もしくあれ』。司馬さんが時折口にされる言葉です。日本人は昔から、頼もしい人に魅力を感じてきたのです。また、上の言葉は、常日頃から人に思いやりの心を持つことの大切さを、教えてくれます。

Miyajima Torii

旅に出る前に『街道をゆく』を読むと、何倍も楽しくなる

 司馬さんは小説を書く傍ら、47歳の時に紀行文『街道をゆく』の執筆を始め、二十五年間、亡くなる直前まで続けられました。日本各地をくまなく周り、また、台湾、中国、韓国、ポルトガル、アイルランド、モンゴルなど、世界中に足を運んでいます。ちなみに『街道をゆく』は全部で43巻あります。(43巻目は司馬さん急逝の為、未完)
 
 私は旅行へ行く際は、史跡を中心に周りますが、例えば台湾に旅行に行く前に、『街道をゆく』の台湾篇を読みました。ガイドブックには載っていないような、台湾と日本の深い関係と歴史的な背景がよく理解できて、読まずに行くのとでは、旅行の楽しさが何倍もかわってきます。旅行にかかった費用の何倍もの価値を得ることができます。皆さんも是非旅行へ行く前は、『街道をゆく』を読まれてはいかがでしょうか。

街道をゆく 40 台湾紀行 (朝日文庫)

 印象に残っている言葉があります。
『街道をゆく』のどの回だったが忘れましたが、司馬さんが晩年になって綴った文章の中で、「長くやることが大事なんだ」と語られたことが私の心に残っています。何しろ、25年間も紀行文を続けてこられた方の言葉だけに、重みがあります。
 「何事も、長く続けてみなければわからないことがある。挫折しそうになっても、細々とでもいいから続けてみなさい」こんな風に解釈しています。

Masamune Statue

日本人として幸せに生きていくために

 日本人は自由を愛し、先祖を敬い、何よりも自然を大切にします。
 神道の精神にみられるように、他国の文化や異なった価値観を持った人々にとても寛容です。
 頼もしい自分になるべく自らを律し、批判することより、寄り添うことを好みます。また、夢を決してあきらめない、強靭な精神力が心に備わっています。
 そんな生き方をすれば、日本人として楽しく幸せに生きられるのでしょう。

伊達政宗の辞世の句

 ちなみに司馬遼太郎さんの『馬上少年過ぐ』という短編小説の主人公は伊達政宗です。この小説と『街道をゆく』を読んでから仙台を訪れてみましたが、人々は優しく、杜(もり)の都と呼ばれるにふさわしい、緑あふれる素晴らしい街でした
 それでは、伊達政宗の辞世の句をお送りします。

『曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照らしてぞ行く』

 明日をも知れぬ真っ暗闇の戦国の世を、月の光だけを頼りに道を進むかのように、自分が信じた道を、ただひたすら歩いてきた

 そんな意味でしょうか。司馬さんなら細かなミスを見つけても、そんなことは気にしなくていいと言わんばかりに目尻を下げ、こう声をかけて下さる気がします。
「大切なことはね、結果を恐れず、ただひたすら自分を信じて、何事にも挑戦すればいいんだよ。誰が何と言おうとね」

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Your spiritual friend,  ラニ