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心を癒す旅 ~もっと楽しく、もっと気楽に。

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祖母とアルツハイマー病 91歳からの挑戦

The Pretty Lady Forest

時代に翻弄されて

 アルツハイマー病。なりたくてなる人はいません。今回は私の祖母が患っているこの病気を、霊的観点から見つめていきたいと思います。
 
 私の祖母は大正14年生まれの94歳です。私は幼い頃から高校を卒業するまで、祖父母と同居していて、たくさんの愛情を降り注いでもらいました。小学校低学年までは、祖母に散髪してもらっていましたし、よく祖母の手料理も食べていました。祖母の得意料理は天ぷらと煮豆で、私は祖母の料理が大好きでした。
 
 祖母には10歳以上年の離れた弟がいました。まだ祖母が小学生の頃、母親が弟を生んだ三日後に亡くなってしまったので、祖母が弟の母親代わりとして、面倒を見ていました。
 ある日、祖母にとって大事件が起こりました。近所の人が、祖母が一番かわいがっていた弟を、養子として欲しいと言ってきたのです。この時代は現代と違って、子供のできない夫婦が、親戚や近所の子供がたくさんいる家庭から養子を迎え入れることが、珍しいことではなかったのです。
 
 祖母の父親は、母親がいないこともあって、この申し出を了承します。ただ、その近所の家に弟を連れて行くのは、祖母の役目になりました。祖母は何も知らない無邪気な弟をおんぶして、泣く泣く近所の家に重い足取りで連れて行きました。弟を近所の人に渡すと、異変を察知した弟が、今まで聞いたこともない金切り声で泣き出します。祖母も号泣しながら、弟に別れをつげ、何度も振り向きながら、家に帰りました。この時の弟の泣き声は、何十年経っても忘れられないと、祖母は私に語ってくれました。

 祖母の弟はこの時の精神的なショックから、生涯に渡り言葉をうまく発することができなくなってしまいました。祖母はその後も弟のことを常に気にかけつづけ、弟が高校を卒業すると、仕事の世話までしてあげました。やがて弟は結婚しましたが、今現在も弟は姉への感謝を忘れることなく、誕生日には花を送ったり、畑でとれた野菜やコメを送ってくれます。

自分のことは自分でやる

 祖母は二十歳の時に、最初の子を身ごもりました。私の母です。ちょうど、第二次世界大戦が終わろうとしている時でしたが、夫である私の祖父は戦争に行き、自宅の上空にはアメリカの爆撃機が飛んでいたというから、凄まじい時代です。 

 さて、戦中戦後の貧しさを乗り越えた祖母は『自分のことは全部自分でやる』という強い意志の持ち主です。病気になる前は、料理や家事は人任せにせず、全部自分でやりました。畑いじりが趣味で、年がら年中、野菜や果物を育てており、祖母は近所の人にもよくおすそ分けを持っていきました。

  祖母の身の周りにはフクロウの置物や絵がたくさん飾られています。何でも子供のころ、顔がフクロウに似ていると友達から言われて以来、フクロウに親近感が湧き、以来最も大好きな動物なんだそうです。

owl's smile!! :)

91歳でアルツハイマー病を発症

 祖母は心優しい人で、友人や近所の人が体調を崩していると聞くと、必ずお見舞いに行きます。大雨が降っていようが、炎天下だろうが、関係ありません。何とか元気づけようと、一キロ以上歩いてでもお見舞いに行きます。

 祖母は運の強い人で、よくクジなどで、コメや果物、商品券が当たります。すると、『幸運は一人占めしない』というモットーの祖母は、必ず家族や近所の人と分け合い、自分はもらいません。誰かに喜んでもらうことが、一番嬉しいのだそうです。

 そんな優しくて強い意志を持った祖母が、91歳の時にアルツハイマー病を発症しました。家族にとっては凄まじい衝撃でした。それまで病気らしい病気にかかったことがなく、自分の歯も20本以上あり、歯科医師会から表彰されたほどです。私達家族は、祖母の健康が続くことを一日たりとも疑ったことがなかったのです。

 それから三年が経ち、家族のことやトイレの場所は忘れないものの、食事したことや、30分前にしたことも忘れてしまいます。

 先日、週三回通っているデイサービスで、両手の爪に、ネイルアートをしてもらいました。なんと、デイサービスの男性責任者の方がしてくれたそうです。祖母はその方が大好きで、最初はデイサービスに行くのを嫌がっていましたが、今ではとても楽しみにしています。

 やはり女性はいくつになっても女性です。大好きな人にネイルアートをしてもらった祖母の写真をデイサービスからいただきましたが、とても嬉しそうな顔をしています。家に帰った直後も祖母は嬉しそうに両手を見せてくれました。

 それから一時間後、祖母が何やら大騒ぎしています。「おばちゃんどうしたの?」と尋ねると、「だ、誰だ!あたしの爪にこんなことをしたのは!」と怒ったように、わめいていました。完全に忘れてしまっているのです。

 病気になる前、祖母はいつもニコニコしていて、よくしゃべる人でした。最近は表情から笑みがだいぶ消え、口数も少なくなりました。テレビでスポーツ観戦することが大好きなのですが、以前には考えられないような暗い表情で観ています。でも、まだまだ自分から冗談を言ってくれるし、挨拶するとにこりと笑ってくれます。私はそんな祖母の笑顔をたまらなく愛おしく感じます。

アルツハイマー病の意味

 あらゆる病気は、その人の習慣的な思考が原因となることが多いと私は考えています。ただ、アルツハイマー病など、家族から長期間にわたって介護をしてもらわねばならない状況になった場合、そこには魂の深淵な目的が隠されており、祖母はアルツハイマー病になったことで、人生の終盤で、大きな人生の学びを得ていると思います。

 それは『愛を受け取ること』です。前述したように、祖母は何事も人に与え続けた人でした。たくさんの愛情を家族や友人、近所の方に与え続けました。とっても立派な行為で、尊敬に値します。でも、人は愛や思いやりを受け取ることもとても大事です。私は確信を持って思うのです。幼い頃母親を亡くし、弟と離れ離れになった祖母は今、多くの人から今までにないほどの愛情をもらっているのだと。

Together

アルツハイマー病*試練と学び

 人は何歳になっても死の直前まで学びが続きます。祖母は90代から新たな試練が始まりました。介護する家族にとっても、アルツハイマー病の壮絶な介護を通して、今までにないほどの忍耐力が試され、同時にたくさんの愛情を祖母に与える必要があります。
 
 お互いに、最後までやり通さなければなりません。病気なる側もお世話をする側も、完全にカルマ的な要素を消化できるのです。これは、生まれる前からすでに家族という形を通して約束された学びの形で、人生最大の試練の一つであり、成長の機会です。そこから得られる霊的な成長は絶大なのです。祖母は自らアルツハイマー病になることによって、家族にかけがえのない成長の機会を与えてくれています。
 
 介護をしていると、本人は何でも忘れてしまうため、いくらお世話しても無意味に思えてしまうことがあるかもしれません。でも、それは違います。あなたから受けた愛情はすべて、当人のオーラに刻み込まれ、死後、全てが明らかになります。心から実感するのです。こんなに長い間、ここまでしてくれて、と感謝の気持ちでいっぱいになります。ちなみに、アルツハイマー病は肉体的な病気ですので、死の直後、霊の体になった人は、すぐに完全な健康体になり、思考が元通りになります。
 
 このことは、アルツハイマー病に限らず、癌など長い闘病生活を送ったり、昏睡状態に陥った時も同様のことが言えます。本人は魂の奥に刻まれた記憶の中で、あなたがしてくれたことを全て覚えています。

 今「本当にありがとう!」と伝えられなくても、死後肉体を脱いで、霊体になった瞬間に強烈に感謝の気持ちが湧き上がります。この気持ちは死後何十年たとうが、決して消えることはありません。人間が与え合う愛の力は、それほど強力です。

介護する人ができること

 介護は本当に大変です。体力的、精神的にもきついのですが、愛する家族がアルツハイマー病になると、自分もそうなるのではと不安になると思います。しかし、不安に思うことは、健康に対して何一つ良い効果をもたらしません。どうか、自分は大丈夫と信じた上で、できる範囲で健康に気を配りましょう。今、できることは、ご自分の心身を大事にすることです。休める時にはしっかり休みましょう。また、デイケアサービスなど頼れる組織や人がいたら、どんどん頼りましょう。一人で全部乗り越えようとしないことです。

cloud

病気は決して罰ではない

 人の一生に起こる様々な出来事は、私達の感覚や知識では理解しがたい意味が隠されており、一概には言えません。ただ、病気は決して罰ではないということだけは、声を大にしてお伝えしたいと思います。全ては学びです。病気を通して得られる学びは人それぞれです。

 中には恐怖心を克服したり、罪悪感を手放したり、誰かを許すことを病気を通して学ぶ人もいるでしょう。ネガティブな思考や感情の蓄積は、すぐに肉体に現れるからです。あるいは人生の価値観が全く変わる人もいるでしょう。それまで一番大事だと思っていた富の蓄積や名声や社会的地位が全く無意味に思え、もっと家族や友人との時間を大事にして、穏やかな心を保ち、できるだけ人に親切にすることこそ、人生最大の目的だと確信するかもしれません。

大好きなおばあちゃんへ

 今から10年以上前、祖母がアルツハイマー病になる前のことでした。ある日、祖母が仏壇で手を合わせた直後、突然振り向いて私に向かって、「ねえ、人って死んだらどうなるんだろう?本当に死後の世界ってあるんだろうか?」と尋ねてきたことがあります。その当時、私は今のような死後の世界の知識を全く持ち合わせていませんでした。

 でも、もし今祖母が同じ質問をしてくれたら、「もちろん、死後の世界はあるよ。おばあちゃんのように一生を誰にでも優しくした人は、驚くほど美しい場所に行くんだよ。そこで、好きなことは何でもやれるよ。姿は若返って二十代の容姿に戻れるし、もう病気や怪我もしないよ。お父さんやお母さん、兄妹にも会えるよ。」と自信を持って伝えるでしょう。

 アルツハイマー病が一日も早くこの世から無くなることを心からお祈りします。

 おしまいに、イングランドの劇作家、ウィリアム シェークスピア(1564-1616
)の言葉をお送りします。
“There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.”
(物事に良いも悪いもありません。考え方によって良くも悪くもなります)

 
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 Your spiritual friend, ラニ